白杖の不安、分かりますか?
「何かお手伝いしましょうか?」では電車やバス、スーパーなどでの視覚障害者の不安が描かれている。信号が赤なのか青なのか分からない、電車の乗り口がどこなのか分からないなど健常者が日頃気づかないような視覚障害者の困っていることを「何かお手伝いしましょうか?」と近くの若者が手助けしていく。監督を務めた副部長の日高和貴さん(佛教大・3年)がこだわったのは冒頭のシーン。健常者には何ということもないような駐車場を視覚障害者が白杖だけを頼りに出ようとする。実はこのシーンは日高さんが実際に目撃したものだ。京都ライトハウスが大筋を作ったが、冒頭にこのシーンをどうしても入れてほしいと日高さんが希望したという。 撮影は約1週間半かけて行われた。難しかったのは、視覚障害者について知識をつけた役者に、全く知識を持たない若者の演技をさせること。そこで自然なリアクションを引き出すため、主演の新谷洋子さんをはじめとする役者にはあえてセリフやシーンの内容を教えずに撮影現場に来てもらった。 日高さんは「今までは困っているように見えなかった視覚障害者の人も、実は困っていたのかもしれないことに気が付いた。あの人もこういうことで困っているのかもしれない、という意識を持っておくことが大切だと思う」と話した。 この作品を今後他の場所でも使いたいという声があり、現在それに向けて修正を行っているという。
コメントを残す