【奨学金問題】「返済できないのは甘えではない」
奨学金問題対策全国会議代表の大内裕和教授(中京大国際教養学部)は、奨学金の返済ができない若者に対し、バッシングが起きている現状を問題点にあげた。「返せないなら借りるな。甘えずに国立大に行け」。高齢者の意見やネット上の書き込みでは自己責任論が目立つ。だが、物価が数倍しか変わっていないにも関わらず、大学の学費はここ40年で大幅に上昇し、国立大と私立大との学費格差は縮まっている。大内教授は「学費自体が上昇する一方、世帯収入は減少しているので、奨学金を借りないと多くの学生は大学に通えない」と強調。また、「国立大の授業料が1万円代だった時代(現在の60代)の人にも、現在の長期に渡る多額返済の深刻さを理解してほしい」と訴えた。 高校の教育現場の現状も明らかになった。学力の低い普通科高校では、生徒全員の就職の斡旋は厳しい。「返済の厳しさは理解しているが、奨学金を借りて大学や専門学校に行くことを勧めてしまう」と質疑応答に参加した大阪府の公立高校の進路担当教諭は打ち明けた。リレートークに参加した堀詩織さん(関西大・2年)は、「返済のために就職で失敗できないという焦りを持つ奨学生や、在学中もアルバイトをたくさんして返済や就活のためにお金を貯めている奨学生も多い。返済を考えると不安」と語った。大内教授は「単なる教育問題ではなく、今後の社会に関わる大きな問題。多くの人が奨学金や学費に対して知識と理解を持つ必要がある」と述べた。 -関連記事はこちら ◎返済義務 若者苦しめる http://www.unn-news.com/news/201310034780 ◎奨学金の返還意識 希薄さ浮き彫りに http://www.unn-news.com/special/4195
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