首位・阪南大を相手に鮮やかな逆転劇を演じた。  両チームともに前節から先発メンバーの入れ替わりがあった。特に阪南大は全日本大学選抜の召集でFW泉澤ら主力3人が欠場。縮まった実力差を考えると、下克上を狙う関学にとっては絶好のチャンスのはずだった。ところが、いざ蓋を開けてみると立ち上がりから阪南大に首位の実力を見せつけられる。「どこかに気の緩みがあった」と関学のゲームキャプテンを務めたMF関。開始5分にいきなり失点すると、17分にも追加点を許した。その後もポスト直撃のヘディングシュートを打たれるなど立て続けに押し込まれ、負け試合の様相を呈す。  関学の悪い流れを変えるキーマンとなったのは、不調の続くMF卯田に代わってトップ下で先発出場したMF小林。スピード感のある攻めから徐々に試合の流れを引き寄せる。「絶対逆転できる」というハーフタイムの成山監督のげきに背中を押された後半、ついに決定機を迎えた。56分、PA内で小林が倒されPKを獲得。呉屋のキックはGKに弾かれるも、直後には阪南大のゲームキャプテン・MF可児がハンドによる2枚目の警告で退場となり再びPKに。今度はDF沓掛がこれを冷静に決めた。  数的有利を得た関学はなおも攻勢に出た。66分、MF小幡のクロスに呉屋が頭で合わせ同点に追いつくと、74分にも呉屋が追加点を決め逆転。さらに終了間際、途中出場の卯田のパスを受けた呉屋が左足のミドルシュートでネットを揺らし、4-2で試合を終えた。  今季3度目のハットトリックで総得点を14に伸ばした呉屋。試合後、阪南大への勝利を「運もあった」と苦笑いしながらも、「前半に思い通りの展開にならなくても粘り強く(攻めに)いけた」と勝因を分析した。とはいえ、守備はこの3試合で7失点と安定感を欠く。特に立ち上がりの失点が多いことに関は「リーグ戦の中断期間で修正したい」と気を引き締めた。 【前半】関学0-2阪南大 【後半】関学4-0阪南大 【試合終了】関学4-2阪南大 【得点】関学:沓掛(58分=PK)、呉屋3(66分、74分、※90+2分) 阪南大:工藤(5分)、河田(17分)  (注)得点時間の※はアディショナルタイム この記事に関する写真はこちら:https://www.facebook.com/#!/photo.php?fbid=618688204807850&set=a.588528491157155.1073741833.430773716932634&type=1&theater