このイベントは、津波による塩害で耕作不可能となった宮城県塩竈市の寒風沢島の水田の再生を目指して、Youth for3.11の関係者が協力して行ったボランティア活動「寒風沢島ふゆみずたんぼプログラム」に参加した学生らが企画した。  当日のイベントでは、最初に代表の米村真悟さん(同志社大・修士課程)があいさつし、冬期にも田に水を張る伝統的な農法によって耕作地を除塩し、農地の再生に成功した寒風沢島での活動を紹介。その後、参加者らは、ゲストとして招かれた山ばな平八茶屋(京都市)21代目主人の園部晋吾さんから、食中毒の予防策やおにぎりの握り方について手ほどきを受けた後、グループに分かれて寒風沢島で収穫された米でおにぎりを握って味わった。また、有機農業の普及を目指して活動いる株式会社坂ノ途中(京都市)から提供された有機野菜もふるまわれ、参加者らは自然の恵みに舌鼓を打った。  後半では、ゲストの園部さんが、忘れられかけている日本の食文化について講演し、「日本食、和食とは何なのか、これを機会にもっとしっかり考えて」と呼びかけた。また、同じくゲストで、坂ノ途中代表取締役の小野邦彦さんも登壇し、有機農業の現状や、農業の持続可能化に向けた取り組みについて紹介した。  イベント終了後、米村さんは「支援活動が、復旧から復興、つまり地域の再生という新しいフェーズに移っていく中で、今日のイベントが自分たちの文化を見直すきっかけになれば」と話した。また、参加者からは「誘われて参加したが、自分にとってヒントになるようなことが多かった」、「自分が今後農業とどのように関わっていくのかを考える上でとても参考になった」などの声が上がっていた。