初出場1人劇「飴玉エレナ」が勝利
閉会式後「まさかうちが受賞とは。1人芝居は演劇祭で前例がなかったし、その変則的な劇が観客の方にちゃんと伝わっているか不安だったので」と安堵したのは「飴玉エレナ」唯一の役者として活躍した山西竜矢さん(同志社大・4年)。自作の脚本「転がる紳士たち」(脚本・石井珈琲、演出・石井珈琲、山西竜矢)の世界観の中で、自身のピン芸人をしていたという経験を活かしつつ、1人で5人もの役柄を演じ分けた。山西さんは「多くのお客さんにも観ていただけたし、演劇祭の『お祭り』の感覚が本当に楽しかった」と演劇祭を振り返った。
「飴玉エレナ」は、2012年4月に結成されたばかりの、関西の大学生有志が集まってできた劇団。そのため、稽古場での演出や立ち回りなどのノウハウが分からず、他の老舗学生劇団に比べて苦労した点も多かったという。脚本を担当した石井珈琲さん(京都工芸繊維大・4年)は「1年の活動の集大成として、演劇祭で脚本という形にして、皆に思いを伝えたかった」と打ち明ける。思いは、見事山西さんの個性を引き出し、観客に最も思いを伝える演劇を作り上げた結果となった。
今回の審査員を担当した、大阪市立芸術創造館副館長の松原利巳さんは、閉会式での講評で「山西さんのタレント性には素晴らしいものがあった」と、1人役者、山西さんを称賛した。
また、今年から設置された「審査員特別賞」に、立命館大「劇団月光斜」が選出された。閉会宣言を行った、演劇祭会長の石井仁さん(京都大・3年)は、「今回も、たくさんの人の関わりでこの演劇祭を成功させることができた。このつながりをなくさぬよう、来年もよろしくお願いします」と快活に呼びかけた。
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