「場あたり」とは、俳優や音楽家、照明スタッフが演出家とともにシーンの流れや段取りを確認する舞台稽古のこと。本番の数日前に行われることが多く、稽古の大詰めと言える。集合時に笑顔で会話を交わしていた稽古場ツアーの参加者は、稽古が行われている劇場に入った途端その緊張感に静まり返った。場あたりはおよそ4時間におよび、俳優や演奏者は休憩中も立ち位置や使用楽器の確認に余念がなかった。


 場あたりと27日の公演を実際に見学した京都造形芸術大2年の男子は「舞台が創られていく過程を目にすると、本番を観たときの感動もより大きくなる。場あたりよりも本番のほうが段違いの出来になっており、劇団の底力を感じた」と語った。2月2日にはアフタートークイベントも開催され、公演を観劇した人や劇団関係者がそれぞれに語り合った。

 劇的観劇ツアーは新しい出会いと発見の場を生み出すための交流企画。第1回の演劇祭から始まり、今回は京都を拠点に国内外で活躍している地点の協力を得て実施された。京都学生演劇祭2013は元・立誠小学校(京都市中京区)で3月2日から4日、8日から10日にかけて開催。16団体がAからEの5つのブロックに分かれ、64ステージを上演する。