弓友、京都に集う
Version:1.0 StartHTML:0000000167 EndHTML:0000007848 StartFragment:0000000454 EndFragment:0000007832
会場入口では、午前3時から待機する新成人が見られた。待機列の先頭で並ぶ西井庄平さん(近畿大・1年)は「場所取りは1年生の仕事。寒くて辛いが気合を入れて頑張りたい」と本番に臨んだ。
空が白み始めた午前7時に開場、午前7時45分に開会式が開催された。およそ80人の大学生が整列する中、粛々と進行した。
色鮮やかな女性の着物も、本大会の魅力の一つ。関東からバスや新幹線を利用して来場した大学生の女性たちは、着付けのために当日4時半から美容院へ行ったという。装いについて「遊んだ感じに仕上げた」と足元のブーツを見せた。またある女子大生は「成人式のときには着られなかった、好みの赤色の着物で挑むことができた」と喜びをにじませた。大会については「一生に一度のイベント。思い出作りとして楽しみたい」と語った。
開場横の観客席には参加者や見物人でごった返した。ある女性は、姪の晴れ舞台を観るために岡山から来場。「普段は携帯電話ばかり見ている姪が姿勢を正し、まるで別人のようでかっこいい」と惚れ惚れと会場を眺めた。
競技は8時15分に開始した。選手は9人1組。赤・青・緑、と各々カラフルな袴で会場を彩った。合図に従い、9人が同じ動作で機械的に的めがけて弓を引く。放物線を描いた矢が見事的に命中すると、場内から歓声が上がった。
デモンストレーション中に弦が切れるというハプニングを経験した神田和可菜さん(京都産業大・2年)。失敗したのが本番でなくて良かった、と振り返った。「年始の初弓は1年の玄担ぎ。今年は就活が始まるので、それまでの間は楽しく過ごしたい」と朗らかに応じた。
本大会の競技委員長の戸塚孝さんは、熱い思いを持って競技を運営する。1月の寒空の下で真剣に弓を引く新成人たちに、和弓の将来を見据えているのだ。近年ではイギリスやフランスなど、海外でも和弓の使い手は増加しているという。来年以降については「少子化に流されず、今後もっと弓道の継承者が増えて欲しい」と打ち明けた。
*本大会で撮影した写真は、UNN関西学生報道連盟のFacebookページにて、多数掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.facebook.com/UniversityNewsNetwork
コメントを残す