まさに満身創痍の中での戦いだった。準々決勝を欠場したMF谷本泰基が復帰し、FW神門拓弥が初先発。
しかし、いずれも「万全の状態ではなかった」と須佐監督。
ここまで6ゴールをあげる活躍を見せているFW工藤光輝、
キャプテンのDF飯尾竜太朗も負傷を抱えての出場となった。

前半、主導権を握ったのは阪南。パスが繋がり、テンポよく攻めた阪南が立て続けにゴールに迫り、福大を脅かす。
前半27分には、右サイドで獲得したCKのこぼれ球をFW神門がダイレクトでシュート。
夏以降、ケガに苦しんだ10番の意地のゴールで阪南が先制し、1−0で後半に突入する。

後半、試合は終始ペースを握った前半とは一変。
14分、相手にPKを与え1点を返されると、17分、20分と7分間で一気に3点を奪われる。
「失点の後のリスタートのやり方が悪かった」と須佐監督が話したように、
最初の失点から悪い流れを断ち切ることが出来なかった。
追加点をあげられないまま、試合は1−3で終了。
敗退が決まった瞬間、阪南の選手たちはピッチに崩れ落ちた。

須佐監督は「同点に追い付かれた後のメンタルが弱かった。
勝っていくメンタリティになっていなかった」と唇をかんだ。
ただ、「選手たちは本当によくやってくれた」とチーム状況が苦しい中で、ベスト4まで進んだ選手たちを称えた。

キャプテンのDF飯尾は「自分たちの方が上だと思って試合に臨んだが、
ずっとやろうとしてきたことが出来なかった」と無念さを語った。
総理大臣杯、リーグ優勝、インカレ3位の成績を残した1年。
キャプテンとしてチームを牽引してきた1年を振り返り、
「後輩、チームメイトに恵まれた。チームワークが良かった」とコメント。
「来年、全国を獲れる力はあるのでぜひインカレで優勝してほしい」と後輩にエールを送った。

今年のチームは3年生以下のメンバーが多いため、来年も大半が残る。
「選手には、もっとたくましくなれ。逆境に強くなれ、と伝えた」と須佐監督。
あと一歩届かなかったインカレ優勝、そして夏冬連覇を来年こそ果たす。

●全日本大学サッカー選手権大会準決勝(12月24日・味の素フィールド西が丘 )

阪南大 1 1-0 3

福岡大

0-3
FW神門(27分)
 
得点者

 
FW岸田2(59,62分)
MF田中(65分)