優勝のかかった試合でも、関学は落ち着いた試合運びをした。序盤は両投手が好投し、緊迫した展開となった。試合が動いたのは6回表。関学は2つの四球と安打で一死満塁の好機を作ると、3番籾山の打ち取られた打球が三塁ベースに直撃し外野まで転がる形の適時打となり、先制点を挙げた。

さらに一死満塁の場面で、5番山崎裕が初球にスクイズを成功させ1点を加えると、その後も谷、小林正の連続適時打など打者10人の猛攻で一挙6点を先制した。その裏に1点を返されるも、鍋田、中尾の両投手が同志社打線を1点に封じ込め、7−1で勝利し連勝した。これにより、関学の19年39季ぶり13回目の優勝が決定した。

チームを優勝に導いた清水監督は「今季は苦しんだ。楽な試合は一つもなかった」と秋季リーグを振り返った。また、4回を1失点と好リリーフを見せた中尾は「自分のせいで関大戦に負け落ち込んでいたが、チームメイトの励ましで立ち直れた。それが今日の投球につながった。これからも1点でも多くの失点を防ぎ、神宮に行きたい」と次の戦いに向けて気合を見せた。

19年ぶりの優勝を果たした関学は、11月1日から行われる明治神宮野球大会関西地区代表決定戦へと挑む。

◎近大 小出ノーヒットノーラン達成

9回、中堅手伊藤がライナー性の当たりを捕ると、ベンチから歓声が挙がった。小出がリーグ28人目の無安打無失点試合を達成した瞬間だった。

力強い直球とカーブを織り交ぜ、終わってみると11三振を奪っていた。榎本監督は、味方の大量得点に関係なく投げた小出に対し「精神的に強くなった」と評価した。

「今までノーヒットノーランを達成したことがないので、うれしい」と笑顔で話す小出。2年から3年にかけての時期は制球が定まらなかったが、今夏は毎日3キロの走りこみを行い、下半身強化に取り組んだ努力が実った。来季に向けて「自信につながったので、頑張りたい」と抱負も語った。

来季は勝負をかけていきたい近大。小出を柱とした投手陣に注目がかかる。

●関西学生野球秋季リーグ第7節2回戦(10月14日・皇子山球場)

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
関学 0 0 0 0 0 6 0 0 1 7
同志社 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

【関学】○鍋田、中尾−山崎裕
【同志社】●花田、矢野、隠岐、柏原、鈴木健−川端
 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
京大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
近大 3 0 0 0 3 1 3 0 0 10

【京大】●小林、小野輝、橋本、内藤、冨田−久保津
【近大】○小出−橋本