【本紙掲載】大阪工大生の衛星 宇宙へ
開発に要した期間は約5年。これまで延べ50人以上のプロジェクトメンバーが開発に携わってきた。チームには現在、学部生15人と院生5人が所属。機械工学、電気電子工学などさまざまな専門分野の学生が携わった。
衛星は重さ14.5キロで、一辺が30センチの立方体。プロジェクト名の頭文字から「PROITERES」と名付けられた。超小型衛星の動力としては世界初となったエンジンは軽量化が図られ、液体燃料は使用しない。テフロンで作られたチューブのなかで放電をおこし、発生するプラズマや気体を勢いよく排出することで推進、 高度約640キロの軌道を周回する。放電に使う電力は、内部電源と太陽電池から供給され、1年ほど持続。その間に、エンジンの実証試験を行う。
また、衛星にはカメラが搭載され、淀川に分布する外来植物の植生を観察する。収集したデータを専門家に提供し、水質改善に貢献する予定だ。
打ち上げは9日の13時23分(日本時間)。同大大宮キャンパスにはパブリックビューイングが設けられ、動画中継された打ち上げの様子を約70人が見守った。19分後にロケットと分離、16時46分(日本時間)には交信が確認された。
学部3年でチームに加わり、初期から開発に携わっていた工学研究科博士後期課程の池田知行さんは「ずっと目の前にあったものが宇宙に飛んで行ったときには寂しさもありました」と照れ笑いを見せた。
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