温泉街がキャンパスに
有馬温泉ゆけむり大学は、今年で3回目となる取り組みだ。観光協会の協力の下、「講義」や「学園祭」と題して1週間にわたりさまざまなイベントを行っている。地域からの認知度は年々上がっており、神戸芸工大生のデザインした揃いのTシャツを着たスタッフたちは、「今日はどんなことするの」と地元住民に尋ねられることが増えてきたそうだ。
有馬温泉の中心にある入浴施設「金の湯」前では、大阪音大の学生らがバンドを組みクラシックからポップスまで色々なジャンルの音楽を演奏。金管四重奏の明るい音色やソプラノの力強い歌声に合わせて、観光客らは老若男女や国籍を問わず手拍子を送っていた。武庫川女大音楽学部の学生らは手作り楽器教室を開き、親子連れや「孫の土産に」と偶然通りがかったお年寄りが来場。牛乳パックと瓶の王冠を用いたタンバリンなどを真剣な目つきで作っていた。
川辺で男女の出会いを作る食事会「恋めし」など、夜のイベントも充実している。チームで課題をクリアすることで有馬温泉の宿泊券を獲得できるクイズラリーなど、日替わり企画も盛り沢山だという。
有馬温泉でせんべい屋を営む弓削次郎さんは「利益に関係なく一生懸命な学生さんの姿はお客さんに好感を持ってもらえる」と手応えを感じているようだ。「学生は元気なので常にパワーを感じているし、何より学生の新しい意見が聞けて面白い」と笑顔で話した。学生側の代表を務める清水大輔さん(近畿大・3年)は「一つひとつの企画を『学園祭』で終わらせず、新たな『有馬のウリ』として開発できたら」と意欲を示した。
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