「大宇宙の旅」が変えた人生
松本氏は、小学5年生のときに出会った、荒木俊馬氏の著書である「大宇宙の旅」を紹介し、「この本との出会いが私の人生を大きく変えた」と語る。衝撃的だったという「大宇宙の旅」の中には、戦後当時の著には珍しく、たくさんの惑星や宇宙の絵や写真が含まれていた。幼心にすっかりその本の世界にのめり込んだ松本氏は、この本から宇宙に対する夢を抱いた。その思いがこれまでの彼の作品に大きく影響しているという。
また、困難な経験も全部漫画に生かされていると、戦時中や戦後の厳しかった幼少期の話を語った。当時は食料を調達するために、罠を使って鳩や鶏を獲ったり、海に潜って魚を獲ったりしたという。松本氏は「月に自分の足跡を残したかったし、火星にも行ってみたかった。天国に行ってからじゃ遅いんだよ」と冗談交じりに語り、「是非皆さんにはその目で宇宙の果てを見てきてほしい」と来場者へ力強くエールを送った。
講演会の最後には松本氏が自著「銀河鉄道999」の登場人物であるメーテルを描き、その模様を参加者たちは熱心に見つめた。講演会終了後には、多くの人がスクリーンに映るメーテルとともに写真撮影を行った。講演会に参加した京産大OBの男性は「昔、松本先生の作品を見て感動したのを覚えています。先生の子どもの頃の話は大変興味深かったです」と話した。
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