【本紙掲載記事】国家公務員 採用大幅に削減
在職中の国家公務員をリストラで退職させることはできないことが、新規採用を大幅に削減する要因となっている。現在は行政改革実行本部などで調整中。3月中を目途に方針を定め、その後閣議決定を行うという。3月9日に行われた岡田克也副総理の記者会見では、報道陣から「副総理が総務省に7割削減を指示した」と話す場面があったが、岡田副総理が一切を否定。行政改革実行本部で決定にとどまっているとした。定例記者会見で、岡田副総理は「公務員を目指す人は、国家の状況を十分に理解して、チャレンジしてほしい。競争が厳しくなるかもしれないが、勝ち抜いてほしい」と話した。
国家公務員の採用は、2010年度以降、採用が抑制されている。2010年度は09年度から約4割減の5333人。11年度は、震災の影響で若干増加するも、同じく09年度比3割減の6336人だった。
採用削減に関しては、過去に2011年度の採用を半減させる方針が政府から打ち出されたことがあった。しかし、調整の結果断念。結局は例年の4割弱の削減に終わるなど、実際に方針通りの削減が行われるかどうかは未知数だ。
人事院が行う採用試験は、例年各省庁の採用数に合わせて合格者数を決めている。そのため、採用数が減った場合には合格最低点が上昇することが予想される。神戸大キャリアセンターに取材したところ、09年度に4割削減されることが決まった際には、目立った混乱はなかったという。しかし、「もし急に7割も減らした場合、学生側が困るどころか、若手の国家公務員を仕事の面でさらに追い詰めることになる」と憂慮した。
○学生に動揺広がる
LEC大阪校の瀧澤宏之講師によると、国家公務員を目指している学生の間に、動揺が見られるという。瀧澤講師は、そのような学生に対し「とにかく上位合格を目指すべき」とアドバイスを送っている。
LEC大阪校の瀧澤宏之講師によると、国家公務員を目指している学生の間に、動揺が見られるという。瀧澤講師は、そのような学生に対し「とにかく上位合格を目指すべき」とアドバイスを送っている。
国家公務員採用が削減される中、地方分権の流れの中、地方公務員の採用は増加傾向にある。しかし、国家公務員試験を断念した学生が地方公務員試験に流れることが予想されるため、地方公務員採用にも少なからず影響を与えそうだ。
一方で、例年削減が行われるのは技術職が中心。国家一種、二種に関しては横ばい傾向が続いている。
公安職に内定が決まったという男子学生は、「行政職を減らすならまだ考えようがあるが、公安職は厳しい」と不安視。国家一種を目指している女子学生(関学・3年)は「有能な人が、夢をあきらめることがあれば逆に損失。バランスを見て削減してほしい」と話した。
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