この演劇祭は、京都の学生演劇を盛り上げることで京都の演劇そのものを活性化しようという、現京都学生演劇祭事務局長の沢太洋さんの企画から生まれた。沢さんは立命館大学の劇団「劇団月光斜TeamBKC」のOBでもある。昨年2月に第1回が開催され、2年目を迎えた今回は「内発、新提案、熱」をテーマに掲げた。各劇団を4つのブロックに区切り、ブロックごとに昨年より安価なチケットを設定するなど、テーマ通りの「新提案」を積極的に行った。

 

初日の公演は、昨年大賞にあたる「京都学生演劇祭賞」を受賞した、劇団テフノロG(成安造形大)の「心配症女」からスタート。劇団員がほぼ1年生でありながら、あることないことを何でも心配してしまう少女と、その幼馴染たちが繰り広げるコメディを元気よく演じきった。脚本を手がけたくずきりさん(成安造形大・1年)は、公演後「ミスもたくさんあったけど、アドリブが効いててお客さんも暖まったと思う」と満足そうに話した。

 

 2日目の最初を飾ったのは、昨年「ART COMPLEX賞」に輝いた劇団月光斜TeamBKC(立命館大)の「FLAGFLAGFLAG!」。学生運動という難しいテーマを扱った今回の演劇には、演出に練習時間の半分を費やしたという。その成果もあってか、観客は演劇終了までの45分間、食い入るようにステージを観つづけていた。

 

 全劇団が1回目の公演を終了させる17日、劇団蒲団座(大谷大)の「廻円サテライト」が最後の演目として登場した。開会式では「知名度が低いので、せめて今の知名度に毛をはやしたくらいにしたい」と「毛」という文字で劇団全員の意気込みを表した。しかし開会式とは裏腹に、主人公が閉じ込められた空間で次々に増殖するという不思議な世界の空気感を、照明を大胆に使うことで表現した。

 

 演劇祭の代表を務めている玉木青さん(京大・3年)は、2日目終了後、「お客さんが思いもよらないところでもうけていたりして、面白いものを作れているなあと感じられた。各劇団の1回目が終了したので、一旦落ち着いている」と安堵の表情を浮かべた。

 

 18日からは各劇団の2回目以降の公演が行われ、演劇祭の閉会式、結果発表は21日の午後8時から開催される。

※おことわり
事情により、今回の演劇祭の写真は、掲載することができませんでした。お詫び申し上げます。
演劇祭の終了する21日ごろに、UNN関西学生報道連盟所属の神戸大学NEWSNET委員会の公式Facebook(アカウント名:神大 報道)にて、各劇団のライブリポートを掲載しております。この記事に加えて、ぜひご覧ください。