近大が2部の真の王者に君臨した。この日は最初のドライブでRB藤井がランでTDを挙げると更にRB福田のランTDも決まり、前半から相手ディフェンスとの真っ向勝負を制しての圧勝だった。また、ディフェンス陣も大教大の生命線のパスオフェンスを完全封鎖。相手の得意なロースコアの接戦に持ち込ませることがなかった。

 これでシーズン全勝で入替戦に臨む近大。圧倒的なファンダメンタルをベースにしたフットボールは最後まで錆びつくことはなかった。しかし「ラインの体格が劣っている。1部のサイズ相手では接戦になる」と鈴木監督は話す。第4節大阪大戦でもライン戦で苦戦し、中央からのランでなかなかゲインを奪えず、FG1本差の勝負となった。甲南大との入替戦に向けチームに必要なものは「緊張したゲームにむけて気持ちの部分」だという。

 昨年降格の憂き目を見た悪魔は再び1部の舞台に返り咲くことができるか。

◯大教大 ディフェンスのミスが重なり大敗
 
 「速さ、当たり、経験してきたものとは違う。1部の力を身にしみた」(QB吉村)。近大は昨年まで1部にいたチーム。吉村は悔しがるというよりは、淡々とした口調でこう話した。
0−37というスコアからわかるように、試合は完全に近大ペースだった。タックルミスで相手のランをブロックすることができず、簡単にTDを決められる。中央線や右サイドライン際のパスを集中的に狙われるなど、相手の多彩な攻撃を前になかなか流れを引き寄せることができない。WR太田越主将は「タックルのミス、1対1のミスが多かった。まだまだ甘い」と唇を噛んだ。
12月11日の入替戦に向け「ここからが勝負なのでしっかり準備していく。(1部昇格は)自分たちの夢なので絶対にかなえたい」と中村ヘッドコーチ。今日の反省を胸に、いよいよ大勝負へと挑む。一度地に落ちた竜は、天に昇ることができるか。

 

●関西学生アメフトリーグ2部入替戦決定戦

 

  1Q 2Q 3Q 4Q
近大 14 7 6 10 37
大教大 0 0 0 0 0