立命と関学の全勝対決 両チームの注目選手は
大学フットボール界最高峰の戦いはフィジカルの高い立命を、完成度の高い関学がどこまで攻められるかが勝負の分かれ目になる。春から圧倒的なパワーフットボールを展開してきた立命。しかし京都大(第5節)、関西大(第6節)との戦いではディフェンス陣のタックルの甘さや、QB谷口の負傷によるQB荒木への交代で攻撃のデザインが変わり、反則が出るなど細かな部分で詰め切れていないシーンが垣間みれた。その細かなミスを見逃さないのが関学。春からスターターの座を手に入れ経験を積んだQB畑とケガから復帰したQB糟谷の2人体制でバランスの良いオフェンスを展開する。RB松岡、望月、WR和田らが見せるラン・パスの緻密なオフェンスが際立ち、わずかなディフェンスのほころびでもロングゲインに結びつける。パワーを貫く赤き豹か至高の完成度を誇る青き戦士か。関西の頂点へ君臨するのはどちらのチームか。
立命
QB谷口翔真(たにぐち・しょうま)
昨年年間最優秀選手に選ばれた、立命のパワーフットボールの象徴的存在。パスの改善に今年はじめから取り組み、リーグではパス試投57回中40回成功。昨年から注目された屈強な体格を生かしてのランに加え、パスを武器にすることに成功した。しかし、第5節の京都大戦で自身のキーププレイの際に足を負傷。第6節にはスターターには名を連ねたが、開始まもなくサイドラインに退いており、万全とはいえない。
RB井上周(いのうえ・しゅう)
第6節までリーグ2位の663ヤード獲得を誇る立命のエースランナー。ブロッカーをうまく使い、オープンを抜けていく走りが持ち味。第5節、6節は相手の守備陣にマークされ、これまで通りの走りとはいかなかったが、一発で状況を打開できる走りは相手にとって脅威になるだろう。
QB荒木裕一郎(あらき・ゆういちろう)
第5節で負傷した谷口に代わって、第6節ではほとんどの時間でQBとして出場した。谷口の陰に隠れた存在ではあるが、1年の時に日本代表として参加したジュニア世界選手権では、大会ベスト11に選ばれるなど下級生時から期待された才能だ。第6節では相手ディフェンスの激しいラッシュにも動じず、冷静なパッシングで司令塔ぶりを発揮した。谷口が不出場ということになれば、この男の右肩に立命の運命がかかる。
LB名倉秀亮(なぐら・しゅうすけ)
小柄ながら、ディフェンスからチームを引っ張る主将。今年の関学の多彩なランナーを止めるためにはLBの奮闘は欠かせない。「足を使って、チームで止めます」とディフェンスとして関学戦の意気込みを語る。
関学
QB畑卓志郎(はた・たくしろう)
春からスターターの座を射止め、経験値をつんだ3年生。リーグではパス試投69回中45回成功の精度で、ショートパスをきっちり決める。また、「持ち味のひとつ」と自ら話す40ヤード4秒中盤の足を使ったランもあり、バランスの取れたプレーが展開できる。第6節では厳しいディフェンスに遭いTDを演出できなかった。大一番に向けてどう修正してくるか。
RB松岡正樹(まつおか・まさき)
昨年の怪我から復帰したエースランナー。タックルを受けても簡単には倒れない、セカンドエフォートが持ち味。主将も務め、4年間遠ざかっている甲子園への思いが強い関学をまとめ上げる。立命に対しては「個々の能力、チームワークすべてがすごい」と話すも、「日本一になると決めてやってきた。すべてを出し尽くす」と死力を尽くした戦いを予感させる。
K大西志宣(おおにし・ゆきのぶ)
安定感抜群のキッカー。下級生時からキッキングを任され、常に安定した記録を残す職人肌。今年のリーグではここまでFG13回中11回成功、TFPとあわせて合計55得点と文句なしのリーグ1位を誇る。接戦が予想されるだけに、ゲームの流れを大きく左右するキッキングに注目だ。
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