大教大の勢いが止まらない。春の試合で1部の神戸大を28−24で撃破し、昨季入れ替え戦に出場した大産大を筆頭に桃山学院大、京都産業大など強豪揃いの2部Bブロックをここまで無敗で切り抜けた。迎えた第3節、相手は大産大。WR太田越主将が「春からの繋がりがあるので勝つ自信はあった」と語ったとおり、大教大の最後まで粘り強いフットボールが実を結んだ。

試合の主導権は序盤から大産大が握る展開となった。第1Q6分に相手にランで先制を許す。大教大もQB吉村から太田越へのTDパスで追いつくものの、第2Q、大産大に17ヤードパスを通され突き放される。 

 しかし、ここで終わらないのが今年の大教大だ。相手のTFPキックをブロックし、前半終了間際、自陣深くまで攻め込まれるもファーストダウン更新を許さず、相手FG失敗という運も味方につけた。中村ヘッドコーチは「ハーフタイム前にディフェンスが粘ってくれたのがよかった」と手放しにディフェンス陣を賞賛した。

 後半に入っても失点を許さず10−13で迎えた第4Q。相手のFG失敗後のシリーズで、大教大はレッドゾーン近くまで攻め入るものの、吉村のパスを相手にインターセプトされてしまう。しかしすぐさまタックルをあびせ、相手の攻撃を自陣まで侵入させることなくパントに持ち込ませることに成功。

 この時点で試合終了まで残り2分。インターセプトを献上した後のドライブにも吉村は「気持ちが高まっていた。ディフェンスやレシーバーを信じていた」と振り返る。吉村のランプレーや太田越へのパスで敵陣深く侵入した大教大。最後は吉村が右オープンに待ち構えていたWR有岡にサイドライン際のパスを投げ込み、逆転のTDを決めた。

大逆転劇に湧く大教大サイドライン。吉村は「このまま突っ走ってチームの歴史を塗り替えたい」と意気込む。大産大を下し昇格が現実味を帯びてきたものの、大教大に油断や慢心はない。中村ヘッドコーチが「元気で、あきらめないのがうちのチームカラー」と話すように、そのひたむきさを原動力にチームは昇格への快進撃を演じていく。

●関西学生アメフトリーグ2部第3節(10月8日・エキスポフラッシュフィールド)

 
  1Q 2Q 3Q 4Q
大教大 7 3 0 7 17
大産大 7 6 0 0 13