誰もが予想しなかった展開だった。西日本バレーボール大学男子選手権大会優勝、東西バレーボール大学男子選抜大会3位という目覚ましい成績を収めた大商大。しかしそのチームが9月22日までの4試合で8チーム中5位と低迷している。その大商大が迎えたのは今大会4戦全勝の大産大。なかなか勝ちが望めないこの窮地を救ったのは、この試合から見事復活を果たしたサイド中河だった。秋季リーグ開始1週間ほど前にブロックの練習中に指を骨折し、戦線離脱していた中河。しかし「痛いなどと言ってはいられない。自分が出るしかないという雰囲気だった」と、未だ完治はしていないにも関わらず気合いの強行出場。ここ1番でサーブやブロック、スパイクをことごとく決め、見事チームを勝利に導いた。
試合後、セッター三田村は「中河さんが戻ってきたので安心してトスを上げられた」と改めてエースの存在感の大きさを噛みしめた。「中河が入ることで今後の対戦相手もやりづらくなるだろう」と中嶋監督も話す。まだ優勝の可能性の残る大商大。エースが復活した西日本王者の逆襲が始まった。

●関西大学バレーボール連盟男子秋季リーグ(9月23日、大阪商業大体育館)

大商大(3勝2敗) 3 25-18 1 大産大(4勝1敗)
19-25
25-21
25-20