文学部教育学科の三宅ゼミに所属する大久保茉莉さん(神戸女子大・3年)らは、春からのゼミ活動とほぼ同時に被災地のために何か出来ないか考え始めた。幼児教育コースで、ゼミ生らが教員を目指していることから、集めたうちわに小学校や保育園・幼稚園でメッセージやイラストを入れてもらえるよう話し合ったという。大久保さんは「子ども同士でしか伝わらないこともあると思う」と、被災地の子どもたちに笑顔の絵を届けようと活動してきた。

 
 6月にはうちわ募集のチラシを作成し、学生や大学職員らから400枚近いうちわを集めた。そして集めたうちわを骨だけの状態にし、メッセージなどが書かれた和紙を貼り合わせていく。うちわの使いやすさ以外にも、メッセージを書き入れる紙やペンにも工夫をした。
 
 「はやく送らないと暑くなる時期に間に合わない」と通常の授業よりもうちわの作業を優先し、授業の無いときでもゼミ生らで集まって作業を行ったという。完成したうちわは福島の避難所や小学校に送られる。大久保さんは「最初は先生からの提案で話し合っていたけど、被災地の人のためにどう工夫したら良いかを考えるようになった。少しでも元気を送れたら」と笑顔だった。