「勝ちたい。神宮に行きたい」。最終節、ナインのみならず、監督、コーチ、スタッフ、さらには今季で最もにぎわった三塁側スタンドに陣取る応援団たち。まさに、同志社大野球部を見守る全ての人の思いが伝わったのだろう。初回、チームを引っ張るクリーンナップが大活躍した。相手の失策などで、無死2、3塁とし、3番中谷が犠飛、さらには4番生島、5番小林による連続適時打。打つべき3人による速攻劇は、ゲームの主導権を一気に同志社側に手繰り寄せた。

 雨天だった前日、母校である大阪桐蔭高校の室内練習場を使用し、中谷や山本定らと振り込んだという生島。「第1打席から四球を選ぶというのだけは絶対に嫌だ」と、とことん積極的に攻め、カウント0—3から放った快心の打球は中越えの二塁打に。打ったあと、4番の一振りに歓喜に沸いたスタンドに向けガッツポーズをみせた。

 2回戦に勝利すれば、関西学生野球連盟発足以降初の3連覇。「昨年も競ったところで勝ってきたから慣れている。うちには経験がある」と小玉監督。その経験を生かし、まずは1回戦をものにした。
 
 投手陣の層の薄さが叫ばれるなか、打撃陣の不調が叫ばれるなか、優勝の栄光にあとたった1つ、白星を加えるだけというところまでやってきた。春に入学した新戦力を含め、全員の力でもぎ取った王手。それだけに、最後ばかりは「クリーンナップ」と言わずに「全員野球」で栄光をつかむことを願ってやまない。

●関西学生野球春季リーグ第8節1回戦(5月30日・わかさスタジアム京都)
 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
同志社 4 0 1 0 0 0 0 0 1 6
立命 0 0 0 0 1 0 0 2 0 3

【同志社】○平川−小林
【立命】●徳山、山田、工藤−山村、湊崎