大商大にとって、大産大にはどうしても負けられない理由があった。昨年の春季リーグではストレートで倒して優勝したものの、秋季リーグでは1—3で敗れ準優勝に終わった。そして今回、負ければ現在6戦全勝の大産大の優勝がほぼ確定してしまう。否が応でも勝たなければならない試合だった。

 張りつめた緊張感のなか試合が進み、セットカウント1—1で迎えた第3セット。そこに落とし穴があった。21—22の場面で、大商大のブロックがアウトになったとジャッジされる。しかし大商大サイドはインだったと抗議。結局アウトの判定になり、21—23と終盤での痛い2点差をつけられてしまう。そこから、それまで試合の流れをつくっていた緊張感が一瞬で途切れてしまい、選手のモチベーションは下がりきってしまった。続く第4セットでも、今までサーブレシーブの安定していたサイド田中主将でさえも、1球目をセッターに返すことができず攻撃につなげることができない。サイド中河は「あの判定から、気持ちを切り替えられなかった」と肩を落とした。気持ちの面が怖いほどプレーに表れてしまった。最後は切り替えて4年生を中心に元気を出し、終盤で追い上げるも少し遅かった。

 
 試合後、田中は「第3セットをとれなかったのが痛かった。(判定に対しては)それ以前のところでしっかりプレーしていればこんなことにならなかったのに」と悔しそうに話した。      

 しかしまだリーグは終わったわけではない。リベロ瀬川は「次からは気持ちを切り替えて、しっかり戦っていきたい」と前を向いた。

・関西大学バレーボール連盟男子春季リーグ(5月5日・立命館大第一体育館)
 

大商大(5勝2敗) 1 22-25 3 大産大(7勝)
25-22
21-25
17-25