関大最後の打者を打ち取ると、10回のマウンド上で中後は拳を握った。

この日の試合は両者譲らぬ投手戦になった。8回まで得点が入らない。先にホームを踏んだのは、関大だった。
8回裏、近大先発の中後は、二死1、2塁から関大5番奥村に左前適時打を許し、1点を献上。それまで0に抑えてきただけあって、悔やまれる1失点となった。
0−1で迎えた9回、1点を追う近大は先頭打者が出塁すると、相手の失策により土壇場での同点。
試合は延長にもつれこみ、10回に安達のセーフティースクイズで勝ち越し。
最後の最後でリードをもらった中後は10回裏もきっちり抑え、2−1で勝利を手にした。

10回まで投げ被安打5、奪った三振は12。持ち球のシンカーで関大打線を翻弄し、エースの貫禄を見せ付けた。
試合後中後は「内容とかどうでもいいい。勝ててよかった、それだけです」と話した。

3季連続で優勝を逃してきた近大。覇権奪還は左のエースにかかっている。

●関西学生野球春季リーグ第3節1回戦

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
近大 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 2
関大 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1

【近畿大】○中後−田中祐
【関西大】寺本成、近藤、●吉川−矢野
 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
関学 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
同志社 0 0 0 0 1 0 0 3 0 4

【関学大】●ボイラン、永島、岡地、田村−山崎裕、福本
【同志社】○平川−小林