実際に山に入って林業に従事するばかりが「林業女子」ではない。今井さんいわく、「山の現場から家庭まで、どんなところででも林業について考える人はみんな林業女子」。普段のミーティングも、あえて女子会と名付けることによって、参加する敷居を低くした。現在は学生を中心に、現場の林業従事者なども含めて30人ほどが参加する。

 

  日本の林業が抱える問題は深刻だ。国土のほぼ7割という、世界で指折りの森林面積をもちながら、木材自給率は3割に満たない。コストが安く、安定供給が出来る外国産の木材に需要を奪われている。そんな現状に対し、「林業女子がブームになって増えたら、林業も元気になる」と考える。そのため、会の基本的な目的は林業のPR活動。「林業は親子三代くらいで作っていく産業。生き方に余裕がないと出来ない考え」と林業の魅力を語る。現在は一般女性向けの林業体験の企画や、メーカーと共同で家具の作成、展示を行っている。

 

  さらに、今後「活動の軸となる」と話すのが、フリーペーパーの作成だ。雑誌名は「fg」。Forestry Girlsの頭文字から名づけたが、「Forestry Guysにも読んでもらいたい」と笑う。「若い人に伝えたい」と考え、大学のほかにカフェなどでの配布を予定しているという。第1号の発行は2月初旬になる予定だ。

 

  活動を初めて「人に伝えるということは難しい」と感じた。また「メディアにも取り上げられるとき、伝えたいことがちょっとずつずれる」とも。「だからこそ自分たちで作るフリーペーパーはしっかりしたものを」と込める思いは強い。

 

  会が発足して、まだ5か月。「どういう団体にしていくかはまだ未定」。「まわりが応援してくれているのを感じる」と笑顔を見せる。地域ごとに異なる林業の形態に対応するため、全国に支部を展開していきたいと夢を語った。「女子会にどれだけのことが出来るかは分からない。けれど議論していくことが大事かなと思う」。林業再生へ、思いは一途だ。