今回の事故を受けてUNN関西学生報道連盟では、社団法人アルコール健康医学協会と、イッキ飲み防止連絡協会に、学生の適切な飲酒について話を聞いた。

 

○女性、未成年は危険性の認識を

 

 今回の飲酒事故で亡くなったのは、女性で未成年の学生だ。女性や未成年は、成人男性に比べ飲酒時に危険な状態に陥りやすい科学的な理由がある。

 

 社団法人アルコール健康医学協会で常務理事を務める古谷賢隆さんによると、平均的に男性より体の小さい女性は、その分肝臓も小さく、アルコールを分解する機能が弱いという。さらに女性ホルモンがアルコールの分解を妨げることもあって、男性に比べて飲酒時に血中のアルコール濃度が高くなりやすい。

 

 また未成年の場合はアルコールを分解する酵素の働きが未発達なため、急性アルコール中毒になる危険性が非常に高い。

 

 今回の飲酒死亡事故を受けて、古谷さんは「未成年飲酒についての学校教育が必要だ」と指摘する。また学生には「自分が飲める体質かどうかを知っておくことが大事」と呼びかけた。

 

○アルハラ被害に注意

 

 2009年4月に一橋大の学生がアルハラ被害で亡くなるなど、学生のアルハラ事故は後を絶たない。

 

 学生のアルハラ問題について啓発活動を行っているイッキ飲み防止連絡協会では、「飲酒の強要」、「イッキ飲ませ」、「意図的な酔いつぶし」、「飲めない人への配慮を欠くこと」、「酔った上での迷惑行為」の5項目がアルハラとして定義されている。イッキ飲みなどで急速にアルコールを摂取すると、脳が認識する前に酔ってしまい、危険な状態になりやすい。

 

 同協会の金子小百合さんは、学生に向けた適切な飲酒方法として「強いお酒を速いペースで飲まない」、「飲めない体質の人は飲まない」、「酔い潰れた人を放置しない」という3点を挙げ、「とにかく無理に飲まない、飲ませてはいけない」と強調した。

 

○泥酔者の正しい処置は? 

 

 泥酔者を放置することは死につながる。正しい処置として、古谷さんは「ゆっくり体を横向きに寝かせて、体を温める」ことを挙げる。横向きに寝かせるのは、吐しゃ物が逆流してのどに詰まることによる窒息を防ぐため、体を温めるのは飲酒により上がった体温が急激に低下することを防ぐためだ。

 

 また金子さんは、昏睡状態に陥った時には「すぐに救急車を呼んで」と呼びかける。