紺グレの誇りは重く 同志社、大学選手権を逃す
試合には勝利した。しかし、涙が溢れ出た。試合前から大学選手権に出場できないことがわかっていた。それが歓喜の涙ではないことを、同志社の誰もが知っていた。
創部100周年の節目の年。1世紀にもわたる歴史の中で同志社が大学選手権に出場できなかったことは、部員の死亡事故で出場を辞退した 1973年を除き、一度もなかった。だが今季は、その名を欲しいままにしてきた関西リーグで7位。開幕前は、誰もがその結果を予想しなかっただろう。
「(個々の能力ではなく)当たり前のプレー、タックルにしろ、パスにしろ、その精度が下がってきているように感じる」。中尾監督は近年の成績 不振の原因をそう分析する。言葉通り、今季はそういったミスも目立った。ただ中村ヘッドコーチは別の面での原因も挙げている。それが伝統校故のプレッ シャーだ。
「同志社には関西で勝っても喜んではいけない。そういう雰囲気がある」(中村)。伝統校の選手と言えども大学生。勝って喜び、負けて悔しむ。そういった環境を作れなかったことを中村コーチは「もう一度、見直さなければならない」と話した。
涙に暮れる4年生選手ら。試合後、スタンドからも嗚咽の声が漏れていた。そんな中、大平主将は「同志社のジャージを着ることの重さはわ かっていた。でもそのプレッシャーが僕らの誇りだった」と話す。紺グレのジャージに憧れ、同志社を選んだことを悔いる様子はなく、「苦しいシーズンだった が、最高のメンバーだった」と今季を振り返った。
この悔しさは今後、必ず同志社の糧となる。ただそこには同志社という名前が重圧になるだけではならない。「(後輩たちは)プレッシャーを受け 止めて、それを楽しみに変えてくれたなら」と大平主将。ただ純粋にラグビーを楽しむ。今後の同志社に求められるのはそれなのかもしれない。
●関西大学ラグビーAリーグ第7節(11月28日・近鉄花園ラグビー場)
同志社 | 55 | 15-0 | 7 |
摂南大
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40-7 |
立 命 | 12 | 5-29 | 39 |
京産大
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7-10 |
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