今年4月、東京の国連大学でワールドシフトフォーラムが開催された。フォーラムでは参加者らの考える「シフト」とその「背景」について発表を行っていく。参加していた実行委員会共同代表の宮川卓也さん(立命・4年)は、訪れていた人の中にいる学生の少なさに驚いたという。そこでもっと若い人にこの活動を伝えたいと考えたのが開催のきっかけになった。

 実行委員には関西・関東の大学生200人以上が参加している。そして会場には若い世代を中心に、多くの人が足を運んだ。イベントのテーマは「21世紀の進歩と調和」。「若い同世代の自分たちが発信していくことで、学生は関心を持ってくれるかもしれないと思った」と宮川さんは話す。様々の問題を抱える現在の社会から、どのような変化を思い描くかを、若者一人一人に問いかけている。   

 会場ではワークショップや展示会、ワールドシフトをテーマにしたプレゼンテーションなどが催された。
 展示会の1つ「発展途上国で求められるデザイン」には、途上国で生活する人に向けられたデザインを持った品が多数並ぶ。展示会の空間デザインを担当した井上勇人さんは「学生同士のつながりでこんな大きいことができてるのがすごい。みんな面白いって思うから集まっているんだから」と話す。

 またプレゼンでは学生団体の代表や学生企業家の他、ap bank監事の田中優氏、実業家の堀江貴文氏など、様々なジャンルで活躍する著名人が参加。そんな中、女子大生企業家として「プロリーダ株式会社」を創設した大西千晶さん(神戸大・3年)は現在関わっている化粧品事業についてプレゼンを行い「医療は進歩しているのに、アトピーなど増えている病気もある」と話し、合成化学薬品の危険性を訴えた。そして「(社会にとって)いいことをしたい。社会貢献型企業のモデルになりたい」と集まった観客に想いを語った。

 宮川さんはイベント全体を通して伝えたいこととして、「ワールドシフトは主張じゃなくて問いかけ、だから(参加した学生が)自分の長所をつきつめていってくれればいいと思う」と笑顔で話した。