最後に勝利を引き寄せたのは、練習量に裏打ちされた自信だった。前半は速いパスワークで攻める京産大にディフェンスが振り回され6失点。堅守からの速攻でリズムに乗るリーグ戦での勝ちパターンをつくれない。2点のビハインドを負ってハーフタイムを迎えた。

 

 しかしチームは全く揺るがなかった。「僕らはほかの大学よりも走ってきたし、信頼できる練習量がある」(MF福山主将)。前半からのハイペースで足が止まりがちになった京産大を尻目に、徐々に得意とする形を取り戻していった。第3Q7分に、相手ディフェンスが引き寄せられているスキをついてAT中西が同点ショットを叩き込むと、12分にも中西が決め逆転。この試合で始めてリードを奪うと、引き寄せた流れをがっちりとつかむ。第4Qはじっくりと時間をかけた攻撃で着実に点を重ね、見事に関西を制した。

 

  2年ぶりの王座奪還に、チームは歓喜と安どに包まれた。「とりあえずホっとしている」と福山は胸を撫で下ろす。しかし「これは終わりじゃなくて始まり」と次を見据えた言葉も口をついた。これからの対戦相手は全国のリーグを勝ち抜いてきたチームだ。大一番で勝利の立役者となった中西は「これから先も負けたら終わりの試合が続く」と気を引き締める。「関西の代表として、敗れたチームの分まで誇りを持って臨む」(福山)。全国からの強豪ひしめく、「日本一」をかけた真剣勝負が始まる。

 

●関西学生ラクロスリーグファイナル3決勝(11月13日・舞洲運動広場)

  1Q 2Q 3Q 4Q
京大 2 2 5 4 13
京産大 3 3 1 1 8