「シナリオ通り」と話す板井ヘッドコーチの表情には王者の風格さえ漂わせた。中盤、リードを許しても慌てなかった。

立命の強力なDLに対して、「(エースの)RB藤森がベストの状態でもランは出ないだろう」(板井ヘッドコーチ)。パスを中心とした攻撃が功を奏した。「投げたら絶対通るような気がした」と胸を張った池井の言葉通り、相手DBのカバーをすり抜け、レシーバーが次々とパスをキャッチ。青木、高崎のTDパスに繋がった。

「別に点を取られてもいい」(板井ヘッドコーチ)と開き直りも勝利を引き寄せた。力で押し切られ、2TDを奪われたが、FGやTFPを防ぐなど、粘りで対抗。結果的に2点差で逃げ切った。

ただ、全日本大学選手権への扉はまだ開かれていない。最終節、春季シーズンは惜敗した関西学院大に勝たなければ、1敗で3チームが並ぶ可能性もある。板井ヘッドコーチは「3つどもえになるつもりでいく。関学は完成度が高いし、そううまくはいかない」と警戒を強める。同じく春季には完敗した立命には秋季リーグでリベンジ。関学に対しても成長をみせたいところだ。単独での優勝、そして2年連続の大学日本一へ、戦いは終わらない。

○立命 自力Vは消滅

前節、ライバル・関学に勝ったことで気の緩みがあったわけではないだろう。関学戦後、「まだ終わったわけではない」と繰り返していただけに、痛い敗戦となった。LB佐藤主将は「勝負所で決められたのが関大。決められなかったのが立命」と肩を落とした。同率での優勝、そして全日本大学選手権の出場は関大と関学の結果次第。「この負けを受け止めて、次の同志社大戦をどれだけ前向きにプレーできるか」と佐藤。わずかな可能性にかけるため、勝つしかない。

●関西学生アメフトリーグ第6節(11月14日・西京極陸上競技場)
 

 

 

 

  1Q 2Q 3Q 4Q
関 大 3 0 7 7 17
立 命 0 3 6 6 15

 

 

 

 

  1Q 2Q 3Q 4Q
同志社 0 0 0 0 0
関 学 10 21 7 7 45