◎華やかに彩る祭の始まり

同祭典の2日目は「JINGU Opening Prade」で幕を開けた。主に学生が中心となった団体が出演し、祭のはじまりを華々しく飾った。このパレードは、平安神宮の大鳥居から応天門前までにかけての道をさまざまな団体が練り歩くもの。京都学生祭典の象徴である「京炎みこし」や、「京炎そでふれ!」の演舞などが披露されたほか、関学からは応援団総部チアリーダー部Dolphinsが参加して、見物客らを魅了した。

◎音楽は大学の垣根を越えて

京都会館第一ホールでは、「Dream Orchestra」による演奏会が行われた。「Dream Orchestra」は京都近郊の大学も含め、関西各地の大学交響楽団が京都に集結し、結成された学生オーケストラ。「京炎 そでふれ!」の会場となった神宮道近くの京都会館には、大勢の人がつめかけた。

演奏会は3部構成。現在放送中の「龍馬伝」などNHK大河ドラマ のメインテーマ曲をはじめとした、なじみ深い曲目が演奏された。最終曲では指揮者の小山真之輔さんの指揮に合わせて、観客の手拍子が曲に加わり、会場全体に一体感が広 がった。2時間半の長丁場を感じさせないフィナーレに、会場からは盛大な拍手が飛び交った。

◎夜の平安神宮で熱い舞い

平安神宮では同祭典最後の企画「Grand Finale」が行われた。学生音楽コンテスト「Kyoto Student Music Award」のグランプリバンドの演奏や、「京炎そでふれ!全国おどりコンテスト」の決勝戦などが行われ、夜の平安神宮に集まった観客を熱く盛り上げた。

「Grand Finale」は、各大学の学生で結成された、「Dream Orchestra」の演奏で始まった。メンバーの1人は「あまり練習できなかったが、みんなで演奏することの素晴らしさが分かった」と他大学生との演奏を振り返った。続いて、1日目に行われた、学生音楽コンテスト「Kyoto Student Music Award」グランプリで、大阪教育大、大阪経済大の学生らなどによるバンド「The fin.」が登場。212組の頂点に輝いた力強い音楽で平安神宮をロックに染めた。

後半には、学生祭典で最大の盛り上がりを見せる「京炎そでふれ!全国おどりコンテスト」のノンジャンル部門と京炎そでふれ!部門の決勝戦がそれぞれ行われた。ノンジャンル部門では、「京都明徳高等学校ダンス部」が優勝。メンバーの1人は「ずっと練習してきた。(優勝できて)すごくうれしい」を涙ながらに話した。

また、京炎そでふれ!部門では、京都大、京都府立大の学生で構成される、「彩京前線~宵闇~」が、力強くも優美な演舞で優勝を手にした。テーマは「五山の送り火、死者との再会」。次々と色の変わっていく衣装で、神宮の本殿を背にしたステージを美しく彩った。彩京前線代表の山岸充さん(京大・2年)は「去年優勝したのでプレッシャーがあったが、またあの舞台を目指そうと決めて練習してきた。それに手が届いたことを嬉しく思っている」と感動の面持ち。そして「本当にみんな目指してたところに手が届いて良かった。ありがとう。一緒に来てくれて」とチームのメンバ―への感謝を口にした。

同祭典の最後を締めくくったのは、来場者、出演者が一緒になって踊る、「京炎そでふれ!総おどり」。来場者らは踊り手の中に混じり、笑顔で学生祭典のクライマックスを楽しんだ。

実行委員長の石田拓也さん(立命・3年)は挨拶で「(学生祭典が)これからのち、さらに進化して、みんなの記憶に残り、愛される祭りになることを願っている」と語り、学生祭典は幕を下ろした。閉幕後、石田さんは「全員が一生懸命にやった結果っていうのは顕著に表れるので素晴らしいと思う」と話し、多くの実行委員とともに汗を流してきた今年2月からの日々を満足そうに振り返った。