○同志社連勝で勝ち点1  目もくらむような猛暑の中、先発の平川は最後の打者を打ち取った。  1-1で迎えた5回、二死から同志社は3番石塚のバックスクリーンへの本塁打で勝ち越し。6回には6番生島の本塁打も飛び出すなど、2点のリードを奪った。 平川は走者を出しながらも、気迫の投球で5回以降京大打線を0点に抑え込み完投勝利を挙げた。

 この猛暑の中、完投出来たわけは投球フォームの変更にあった。春季リーグで優勝し、初めて全国の舞台を知った平川。そこで味わった屈辱。その悔しさから投球フォームを変えたという。「3年でフォームを変えるのに抵抗はありましたが、全日本で悔しい負け方をしたので。今日勝てて良かったです」と話す。  幸先良く開幕戦を2連勝で飾った同志社。一回り大きく成長した背番号15がチームを連覇へ導く。

○京大、打線の入れ替え効果あり

 前日の比屋根監督の言葉通り、下級生がスタメンに名を連ねたこの日の京大。比屋根監督が「新しい空気で目指す」と話したように、1番に抜擢された菅野が安打で出塁し、犠打で初回から一死2塁とするなど、攻撃の形は作れていた。同点に追いついた場面も無死からの走者を犠打で進めて、適時打で走者を迎え入れた。

 一方の投手陣も踏ん張りを見せた。先発の平井は走者を出しながらも要所を締めた粘りの投球を見せ、後を受けた内藤もブレーキの利いた変化球で1回を無難に抑えた。「投手のレベルは上がっている」と比屋根監督。好投していただけに、2本塁打が悔やまれる。

 敗れはしたものの、下級生の台頭、投手陣の安定と、勝利へ向けた布陣は整いつつある。3季ぶりのリーグ戦勝利へ視界は良好だ。

京大  0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 同志社 0 0 1 0 1 1 0 0 0 3 【京大】●平井、内藤ー新実 【同志社】○平川ー小林

○立命、投手陣が踏ん張れず敗北

 先発の北岡が誤算だった。初回にいきなり2点を先制され、その後も四球を出すなどピリッとせず、1回持たずにマウンドを降りた。  もともと丁寧にコーナーをつく投球が持ち味で、低めのスライダーのコントロールで勝負する投手。「ベルト付近を投げてしまった」と松岡監督は話す。「低めに投げないといけない」と注文をつけた。  しかし、「終盤の追い上げは成果」(松岡監督)と粘りを見せた終盤の攻撃をたたえた。零封のまま終わるのとでは、同じ負けでも次の試合への影響がまったく違う。目指すは勝ち点の奪取。試合終盤の勢いのまま3戦目をもぎ取りたい。

○近大、1年生投手の力投で連敗阻止

 1戦目を落としているだけに、どうしてもものにしたいこの日の試合。先発を託されたのは、ルーキーの小出だった。

 近大は初回、5番田中勇、6番野瀬の適時打で先制。2-0で迎えた5回にも打線が繋がり、貴重な追加点となる2点を奪った。先発の小出は4点の援護をもらうと、1年生ながら要所を締めた投球で、5回まで投げ被安打6、無失点。終盤リリーフ陣が立命打線の追い上げにあうも、4-3で何とか逃げ切った。

 初勝利を飾った小出は、「先輩たちが声をかけてくれたんですけど、マウンドに立ったらやっぱり緊張しました。勝ててよかったです」と安堵の表情。1年生投手が先発に起用されたのは、榎本監督が近大に就任して以来初めて。指揮官も「暑い中よく耐えてくれた。真っすぐ、スライダーの伸びもいいね」とルーキーの健闘をたたえた。

 今季は継投が予想される近大。覇権奪還なるか。新人左腕に期待がかかる。

近大 2 0 0 0 2 0 0 0 0 4 立命 0 0 0 0 0 0 0 2 1 3 【近大】○小出、宮本、植田ー山本優 【立命】●北岡、工藤、山田、余語、小松、永田ー新田、山村