神戸大、激闘制し3連覇
順天堂大のシュートがゴール右にそれてゆく。G五味がボールを投げた瞬間、ピッチ中央でA満田が高々と両手を掲げた。ホイッスルと同時に抱き合う選手ら。A上原主将が、満田が、人目をはばからず涙を流す。前人未到の3連覇。神戸大が、大学フットサル界に新たな歴史を刻んだ。
鮮やかな逆転劇だった。後半16分に勝ち越しゴールを奪われ、一度は「負けたと思った」(伏見)。しかし試合終了1分前、伏見のシュートに詰めていた上原が同点弾。さらに勢いに乗った神戸大は延長前半4分、またも伏見の左足から、ゴレイロがこぼしたところを松本が押し込む。「入れた後は『絶対守れる』って感じだった」と松本が振り返るように、後半は「お家芸」とも言える守り勝つフットサルで相手の猛攻をしのぎ切った。
昨年の優勝時に試合に出ていたのは、上原、落、伏見の3人のみ。組織としての成熟度の低さ、経験不足、そして3連覇の重圧。同じ大学生の土俵ですら優勝できるかどうか、絶対の自信を持つことができなかった。だからこそ、グループリーグ突破後、上原はこう話した。「『3連覇』というより、『優勝』したいという思いが強い」。何よりも勝ちに飢えていた選手らにとって、この優勝の意味は大きい。
決勝に出場したA西脇、B山田を筆頭に、現在のチームには2年生も多い。「これから4連覇、5連覇といけるよ」と伏見。大学日本一の玉座は、まだまだ譲れない。
○選手らのコメント
上原「感無量。試合が始まったら90%勝てると思った。今日の集中力を続けていけたら」 落「決勝は走ることだけはやめなかった。とにかくフリーランに徹した。全員でやらな負けるということを伝えたかった」 伏見「理想の優勝ではないけど、勝ったというのがすべて。この勢いで関西リーグにも臨みたい」 松本「組織で守ることができた。よく集中できてたと思う。今日は100点かな」 満田「安心した。いつもは攻撃での貢献を考えてるけど、今日はチームの駒として守備を意識した」
●全日本大学フットサル大会決勝トーナメント(8月29日・舞洲アリーナ) ▽準決勝 神戸大 3 2-1 2 高知大 1-1
【神戸大】落2、伏見 【高知大】芝野、岡
▽決勝 神戸大 3 0-1 2 順天堂大 2-1 1-0 0-0
【神戸大】伏見、上原、松本 【順天堂大】O.G、石村
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