各大学の特徴色濃く
住居や菜園を立体的に配置した集合住宅、太陽の光を目いっぱい取り込める図書館、内部の雰囲気が外部に伝わるように工夫された劇場―。会場には、個性的な作品が所狭しと並んだ。「各大学の課題を出展してもらうことで、他の大学の人が普段何をやってるかとか、いろんな大学の色とかがわかる。学生同士の刺激にもなるし、議論もできる」。主催した京都建築学生之会代表の三好利洋さん(摂南大・4年)はこう胸を張った。
NEXTAは、同会主催で来年20回目を迎える合同卒業作品展「Diploma×Kyoto」(以下Diploma)のスピンオフ企画として、昨年から始まった。今年17大学152人の作品が出展されたDiplomaでは、出展者である4年生が自ら企画・運営を手掛けるが、NEXTAでは展示会の練習も兼ねて3年生以下も参加しているのが特徴だ。
2回目の開催となった今回、掲げられた副題は「けんちくの途中」。最終的な目標はDiplomaに展示される卒業設計だが、そこに至るまでの学生それぞれの構想や道筋を披露する狙いがある。1日目に行われた建築関係者と学生らとのトークセッションでは、「日常の中で建築に気づく瞬間」「設計の実施と構想との差」の2つのテーマについて議論が交わされた。
Diplomaとの差別化など、まだまだコンセプトがあいまいな面もあり、「反省点はたくさんある」と三好さん。作品の順位付けを行わず、建築家が選ぶ個人賞だけに賞をしぼったが、建築家からは「課題がそれぞれの大学で違うのだから、そもそも同じ土俵ではない」と厳しい指摘も。三好さんは「とにかくDoplomaより出展数が少ないので、密度の高いものをやっていきたい。学生間での講評会とか面白いかもしれない」と今後の可能性を話した。
コメントを残す