こういったリサイクル運動は、今回が初めての試み。ジャズフェスが20回続いてきたことへの感謝として「何か社会に還元できるイベントになれば」という思いから企画された。

 キャップをリサイクルし、ワクチン代に換える運動は「エコキャップ運動」と呼ばれ、日本でもペットボトル本体とキャップとを分けて捨てるようにごみ箱付近に注意喚起の貼り紙がされるなど、徐々に浸透してきている。800個のキャップで子ども一人分のポリオワクチン(口から飲むワクチン)ができる。

 ジャズフェスでは、キャップ専用の回収箱を設け、ペットボトルを捨てる観客に対し、近くの実行委員が分別するよう促した。その結果、来場者数(3729人)のおよそ1.4倍に当たる量のキャップを集めることに成功。実行委員長の山田愛子さん(阪大・4年)は取材に対し「来場者数と照らし合わせても、成功と言えるように思う」と答えた。

 また、毎年悩みの種となっていたのが、会場内で提供されるコーヒーの紙コップだ。そこで今回は、牛乳パックを再生して作られた「ミルダン」という段ボールを使ったボックスを設置。紙コップを回収した。こちらに関しては山田さんは「コーヒー片手に帰られた方もいたが、まだまだ回収できてなかった部分もあった」と不満げだった。集まった紙コップとミルダンは、再びミルダンにリサイクルされる。