近大 逆転優勝へ望みを残す
○近大 中後が執念の一勝
目の前で簡単に優勝させるわけにはいかない。そんな気持ちが感じられる試合だった。この日、先発の中後が関大に許した安打は8回裏の一本だけ。奪三振 11、9イニングを投げて122球の快投。4回を除くすべての回に奪三振を記録。関大打線に付け入る隙を全く与えなかった。
前節の立命戦で延長戦の末、負け投手になった中後。しかし榎本監督は「関大戦は中後と決めていた。(立命戦の負けを考慮して)代えることは考えなかった」と話し、中後の気持ちの強さを買って登板させた。起用が見事に的中し、第4節以来の3勝目を手にした。
「7回くらいから意識した」(中後)と話す無安打無得点試合だが、8回裏に安打を許し、達成は出来なかった。しかし、「一本打たれて逆に気合が入った」と話すように、以降の打者を確実に打ち取り、打たれたことで気持ちが切れてしまうことはなかった。
この節で2連勝すれば優勝の可能性をわずかに残す近大。まずは先勝し、同じく優勝争いをする関大にプレッシャーをかける。「明日、勝たないと意味がない」(中後)の言葉どうり、優勝に向けてのかすかな希望を次の試合に託す。
○関大 吉川が粘りの投球するも報われず
2連勝すれば優勝が決まる大事な試合。先発の吉川は四死球でピンチを招く場面も見られたが、自身でも「いいリズム」と振り返るように、8回まで無失点に抑え、粘りの投球をみせた。
両校無得点で迎えた9回。吉川は2死満塁から2点適時打を許し、9回にまさかの失点。「集中力は切れていなかった」。優勝がかかる大事な試合だけに、肩を落とした吉川。好投も報われなかった。
●関西学生野球春季リーグ第7節1回戦(5月15日・皇子山球場)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
近大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
関大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
【近大】○中後−柴立
【関大】●吉川−永松
○関学 最終戦を好発進
「秋につながる試合をしようと言っていた」。主将の大西浩の言葉どおりに秋に向けて弾みをつける試合になった。初回に松浦、萩原の適時打で2点を先制す ると、谷の5打点の活躍もあり、大量得点を奪った。先発の蒔野は京大打線に7安打を許しながらも、決定打を許さず1失点に抑え、リーグトップの5勝目をあ げた。
前節の3回戦でスタメンマスクをかぶった1年生の山崎裕がこの日も先発出場。途中交代したものの、1安打を放ち存在感を見せた。山崎裕以外にも、中堅手 で途中出場した吉村もまだ2年生。外野間の連係プレーがうまくいかず、お見合いをしてしまう場面も見られたが、「経験のひとつとして学んでくれれば」と主 将は若い力の台頭に期待を寄せる。
最終戦にまずは先勝した関学。今季、勝ち点をあげた試合はすべて3戦目までもつれる展開となっている。「2連勝して秋へつなげたい」と大西浩が話すようにいい形で春季リーグを締めくくることが出来るか。
○京大 惨敗も収穫あり
大差はついたが、次につながる収穫のあった試合だった。投手陣が崩れ、試合の行方がほとんど決まってしまった試合終盤。それでも京大打線は気持ちを切らすことはなかった。
決してきれいな当たりとはいえないが内野の間、外野の前にしぶとく運ぶ。そうして積み重なった安打は今季初めての二桁11本。「負けて悔しいことが顔に出るようになった」と比屋根監督が話すように、選手個人個人が強い気持ちを持てるようになってきた。
しかし、細かなミスや、四球や失策からリズムを崩してしまう場面が見られるなど、まだまだ課題は山積みだ。目指す野球には「5割くらい」の完成度だと比 屋根監督は話す。秋まで見据えてのチーム作りをする京大は春をどんな形で締めくくるのか。次戦の戦いも見逃すわけにはいかない。
●関西学生野球春季リーグ第7節1回戦(5月15日・皇子山球場)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
関学 | 2 | 5 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 12 |
京大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
【関学】○蒔野、小林正、岡地、正田−山崎裕、清水
【京大】●山敷、平井、安土、内藤−新実、久保津
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