住民がいらないものを持ち寄るフリーマーケット、野菜を育てる菜園施設、自由に行き来できる建築群。講評会では、学生らが考案した「ソーシャルセンター」がずらりと並んだ。

 「mixi(ミクシィ)」や「Twitter(ツイッター)」といったソーシャルネットワーキングサービスと呼ばれるコミュニケーション方法が浸透している現代社会。その中で地域の住民が自分たちで運営し、交流できる空間としての公共建築を提案せよ、という課題に、学生らは丸2日間徹夜で取り組んだ。

 「兵庫建築一揆」代表の友渕貴之さん(神戸大・4年)は「難しかった」と苦笑い。課題に対する解釈が難しいうえ、48時間という制約。一言で建築と言っても、4大学で学ぶ内容は微妙に違うため、グループのメンバー間での意見がなかなかまとまらなかったという。

 ただ、そういったこと自体がこのイベントの目的でもある。「閉じている」と言われる兵庫県の建築学科生が、お互いに交流を持つきっかけに、というのが「兵庫建築一揆」のコンセプトだった。「みんな盛り上がってそれなりに楽しそうだった」と笑顔で話す友渕さんは、「せっかくできたネットワークだから、こうゆう集まりがこれからもあっていいのでは」と今後の期待を話した。