関大、近大が白星発進
◎関大野球部、再生の一勝
昨春リーグを制した立命打線を、関大先発の秋本が完璧に封じ込んだ。初回からストライクを先行させる投球でリズムよく投げ、11奪三振。味方の失策などで3塁に走者を背負う場面もあったが、力のある速球と、「低めに行ったのを振ってくれた」と話すフォークで切り抜けた。9回も3人でピシャリと締め、2安打完封。今季の関大のエースとして、最高のスタートを飾った。
部員の不祥事で昨秋のリーグを辞退した関大。部の活動が自粛され、実戦からも長い期間遠ざかっていた。その中で秋本は「実戦がない中で、どれだけ実戦を意識した練習が出来るか」を考え、走りこみなどで体力を強化することに重点を置いたという。この試合では170球を投げ切り、練習の成果を感じさせた。
活動自粛期間に行っていた、大学構内の清掃といったボランティア活動は、今でも継続中だ。今季から指揮をとる藤田新監督は「他のチームをマナーで圧倒したい」と話す。昨秋リーグに出られなかったことが、部全体の意識を変えた。開幕を迎え「野球が出来る喜びをまた感じることが出来た」と秋本。「野球をがしたい」という原点に立ち戻った関大は、昨年までとは一味違う強さを持っている。
9回を終えて1-1。最下位常連の京大が、昨秋王者と互角の戦いを演じた。投手を3回ずつで変える継投策と、要所で光る好守備で近大打線を1点に抑えた。打っては6回、1死一、三塁から、大背戸の併殺打崩れの間に1点を先取。決してきれいな点の取り方ではなかったが、リーグ屈指の好投手である武内から先制点をもぎ取った。11回に暴投で決定的な1点を失ったが、比屋根新監督がチームの勝ち方として掲げる「最少得点でひっついていく粘り強い野球」を実践した。
四球と失策で大量得点を許し、打線は淡白な早打ちで得点を奪えない。昨年までの京大の負けパターンだが、この試合では全く逆だった。バックが好守備を連発し投手陣を援護。打席でも、打てなくてもボールを見極め出塁しようという姿勢を貫いた。それだけにノーヒットで勝ち越しを許した11回が悔やまれる。「ミスを少なくして辛抱する野球が、最後に少し淡白になってしまった」と比屋根新監督。「(今後は)これをどうクリアするか」と課題として挙げた。
近大に善戦したにも関わらず、チームに流れる雰囲気は「よくやった」ではなく「勝てたのに惜しい」。意識は昨年と比べ劇的に変わっている。選手らは勝ちにどん欲だ。今季の京大はもはや、簡単に勝ち点を奪える相手ではない。最下位からの下克上。5強1弱だった関西学生リーグの構図が崩れようとしている。
●関西学生野球春季リーグ第1節1回戦(4月3日・皇子山球場)
立命 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | = | 1 | |
関大 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | X | = | 3 |
【立命】●北岡、山田、小松-藤田、新田
【関大】○秋本-永松
近大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | = | 2 | |
京大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | = | 1 |
【近大】武内、森田、○松下-柴立、山本(優)
【京大】安土、内藤、●山敷-新実
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