スマッシュを相手のコートに叩きつけると熊谷は雄たけびをあげた。大学に入ってから初のタイトルを手にした瞬間だった。

 昨日までダブルスでも残り、疲労はピークに達していた。それでも「勝ちたいという欲がでてきていた」と強い気持ちを持って臨んだ決勝の舞台。

 第1セット、お互いに相手のサーブをブレイクし合い3-3で迎えた第7ゲーム。熊谷が持ち前のストロークでリズムをつかむと均衡を破り、ゲームをキープ。そのまま6-3で1セットを先取した。
 しかし、第2セットは1-4とリードされる展開に。「ストロークは悪くなかった、ここは我慢だと思った」(熊谷)。深井のバックハンドを効果的につき試合を立て直した。5ゲーム連取で試合を決めた。

 熊谷は「(優勝は)ともに戦ってくれた部員の方々のおかげ」と笑顔で話した。
 

  ●関西学生新進テニストーナメント決勝(3月14日・万博テニスガーデン)
 

 ▽男子シングルス

熊谷(大院大) 2 6-3 0

深井(関学)

6-3

 

▽男子ダブルス

野田・秦(関学大) 2 4-6 1

佐野・深山(同大)
 

7-5


6-2

○安部・角田ペア 激闘を制す 女子ダブルス決勝

 女子ダブルスでは安部・角田(甲南大)が6-4、2-6、7-6で日下部・吉原(関学)に勝利した。安部は「あまり実感ないですが嬉しいです」と満面の笑みを浮かべた。

 試合は、両ペアの意地と意地のぶつかり合いで、第3セットタイブレークまでもつれ込んだ。「ここまで来たら強気でいくしかない」(角田)。タイブレーク5-6と相手にマッチポイントを握らたものの、しのぎきり逆転に成功。約3時間に及ぶ激闘を制し、見事優勝を果たした。

 今年初めにペアを組んで初の公式戦に臨んだ安部・角田ペア。しかし、お互い「やりやすかった」と話すように息のあったプレーで頂点へ登りつめた。
 安部は「インカレの予選となる関西学生春季テニストーナメント(6月)で上位に入りたい」と新たな目標を見据えた。
 

  ▽女子シングルス

井上(同大)  2 7-5 0

川崎(園田女大)

7-5

  ▽女子ダブルス

安部・角田(甲南大) 2 6-4 1

日下部・吉原(関学大)

7-6


2-6