当日には事故からの日数と同じ1762本のキャンドルが用意され、来場者らが一本一本に灯りをともし、事故の犠牲者を悼んだ。また広場前の寺からの鐘の音に合わせて、会場の全員が黙とうをささげる時間も設けられた。

 今回の開催まで、準備に要した期間はおよそ4カ月。同じゼミに所属したことが縁で、「山下亮輔および講演会を支援する会」の一員として山下さんの活動をサポートしてきた田中一彰さん(近大・4年)は「大学生だけでは出来ないことだった。伊丹市の方とかの協力があってこそ出来た」と感謝の言葉を口にした。

 

 「つながり」をテーマに掲げたことの背景には、山下さんが事故後に送った10カ月にも及ぶリハビリ生活がある。事故車両の一両目に乗り合わせ重傷を負った山下さんを支えたのは、「たくさんの人とのつながりや支え」。この「つながり」があったからこそ、「イベントを企画するほど前向きになれた」という。

 来年度から社会人としての生活を送る予定の山下さん。「感謝の気持ちは誰にでも必要なもの。これをもって仕事に臨めたら」と話す。「在学中にやりたかった」と話すこのイベントを無事開催し、「本来つながるはずがなかった人たちとも今回一緒に出来てうれしい」と笑顔をのぞかせた。