震災知るきっかけに
「Lamp」とは、Link、action、memorial、projectの頭文字をとったもの。震災から今までの過程でつくりあげられた「想い」や「つながり」を伝えていく活動として今年8月、関学ヒューマンサービスセンター前代表の齋藤晴香さん(関学・3年)が立ち上げた。メンバーは齋藤さんを中心に5人。今月3、4日には関学上ケ原キャンパスで、パネル展示やキャンドルナイトを行い、学生らが震災に触れられる場を作り上げた。
大学交流センターでは、パネル展示のほか、震災で当時1歳だった息子を亡くした高井千珠さんを招いての座談会やワークショップが行われ、学生らとともに震災や災害について話し合った。また、関学の学生らによるゴスペルコンサートや大道芸も企画され、市民らの目を引いた。
会場に訪れた西宮市在住の玉置千紗さん(関大・3年)は「(展示を見て)震災を思い出した。『いやだな』とも思うが、忘れたいとは思わない」。玉置さんは齋藤さんの友人。座談会にも参加した。「(震災を通じ)人それぞれ得るものは違うが、そばにいる人を大切にしたい」と震災に対する思いを話した。
コンサートに参加した関学のゴスペルクワイヤ「パワーオブボイス」の部長、吉井陽祐さん(関学・3年)は、「(他人を)思いやる気持ちが目に見えないけどすごい大事。(震災時の人々の様子を思い)日本人っていいなと思う」と震災発生時の人の心について触れた。
イベント後、「終わってほっとした」と齋藤さん。「人数よりも、来てくれた人が何を持って帰ってくれるかが大事」と振り返った。
中には震災を伝えることに批判的な意見も。「(来場者に)『震災なんかもういいやん』と言われてショックだった」と話したが、それも震災に対する一つの意見として受け止めた。「『1.17』を思い出すきっかけになれば」。一人一人の震災に対する思いに訴えかけた。
今後は来月7日から15日まで、西宮市の甲陵中でパネル展示、16日夜から17日にかけては、三宮・東遊園地でキャンドル作りなどを行う予定だという。
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