全日本選手権で存在感を見せつけた3人が、ここでも観客の目を引きつけた。
関大勢で最初に登場したのは、全日本選手権で自己最高の4位に入り、来月の四大陸選手権代表に初めて選ばれた町田樹(2年)。「Somebody To Love」、「My Way」に合わせ、コミカルな演技を見せた。ジャンプでは着氷に失敗する場面も見られたが、それも愛嬌。終始笑顔でエキシビジョンを演じた。

織田信成(4年)は五輪代表として初の演技。今季のエキシビジョンでは初披露となるナンバー、「SMILE」でダイナミックな滑りを見せた。

決して順風満帆とは言えなかった代表までの道のり。前回のトリノ五輪は判定ミスで代表の座を逃し、2年前には酒気帯び運転で摘発され、5か月間の出場停止処分を受けた。いくつもの涙を見せた織田だからこそ光る、心からの笑顔。初の五輪、そしてメダルへ。バンクーバーでも織田の「スマイル」を見たい。

圧巻だったのは高橋。「Luv Letter」(DJ OKAWARI)の切ない旋律に合わせたしなやかな動きで、会場中を虜(とりこ)にした。
アンコールではショートプログラムでも使用している「eye」で、切れのいいステップを披露。2年ぶりの優勝で完全復活を遂げた高橋の滑りに総立ちの観客。鳴り止まない拍手とともに、高橋が今季を締めくくった。

バンクーバー冬季五輪は来年2月12日から始まり、高橋と織田が出場する男子シングルは16日にショートプログラム、18日にフリースケーティングが行われる予定(日程はすべて現地時間)。町田が出場する四大陸選手権は1月25日から 31日まで、韓国・全州(チョンジュ)で開催される。