京都府・丹後半島で行われていた関西学生対抗駅伝が、びわ湖へ舞台を移したのが4年前。コース変更と同時に、西日本の3つの学連から代表校を招待し、「びわ湖大学駅伝(関西学生対抗駅伝競走大会兼西日本大学招待)」として生まれ変わった。以降、西日本の頂点を決める大会として、晩秋の湖国を彩っている。

○三つ巴、持ち味違う3校
 優勝の可能性は上位3校にほぼ絞られた。昨年、関西4連覇を達成した立命は、今年の出雲、全日本でも関西勢最上位となり、名実ともに関西一の大学となった。だが、西日本の頂点は第一工大(鹿児島)と分け合っている。ともに2度の優勝を経験。全国の舞台でも立ちはだかる相手だけに、意地でも負けられないところだ。
 外国人留学生を擁する第一工大は、例年通りなら1区で飛び出して流れをつかみたいところ。だが、今年から外国人留学生の出場枠が1つになったことで、エースのジュグナが最長区間の7区にまわった。京産大はエース三岡、林が好調。1区林は出雲で区間新記録(2区)をマークし、一時は先頭争いを繰り広げるなど、京産大の躍進を強烈に印象づけた。
 対する立命は藤原、西野などの4年生が軸。全日本で区間2位の好走を見せた1年生の今崎、チームで唯一5000メートル13分台の記録を持つ田中裕が流れを作る。2年連続MVPの寺本がオーダー落ちするなど、不安材料も残るがほぼベストの布陣で決戦に臨む。

○来年の全日本予選前哨戦 表彰台狙う実力校
 総合優勝を争う上位3校を追うのが、昨年関西3位の大体大、今年の全日本に出場した大経大。さらに10月以降調子を上げてきた関大、関学などが続く。昨年健闘した奈良産大はエースのクアライが浮沈のカギを握る。
 各校共通しているのは絶対的エースの不在。総合力が高い大学がそろうだけに、1つの区間のブレーキが明暗を分ける。関西3位入賞は、来年の全日本出場への布石となるだけに調整に余念がない。

○きっ抗するシード権争い 予選会突破組も上位へ
 一方のシード権争いも激しさを増している。昨年、シード権の数が13校から10校へ絞られたことで、近大などの有力校が予選会に登場。予選会を突破した5校とシード校との間に大きな実力差は見られず、入賞とシード落ちが隣合わせの状態だ。
 予選会突破校のうち、びわ湖で初めてのシード権を狙う同志社、5000メートル14分台の選手を4人そろえた神戸大が上位をうかがう。迎え撃つはベテランがそろう京大、女子が全国制覇を成し遂げた勢いに乗る佛教大か。

○予選会の無念晴らし来年へ 関西学生選抜が初登場
 今年から関西学連所属校のうち、本選に出場できない大学から選抜チームを形成。「関西学連選抜」として湖国路に登場する。チームの軸は大院大の吉村、1年生ながら関西インカレ2部ハーフマラソンで7位に入った甲南大の藤原ら。そのほかにも過去に本選を経験している実力者が出場する。選抜チームが10位以内に入ってもシード権は与えられない。だが、来年の本選につなげるために一つでも上の順位を狙いたいところだ。