試合が終了すると、両チームの選手の表情は対照的だった。喜び合う関大イレブンと、崩れ落ちた関学イレブン。試合に臨むモチベーションが非常に高かった関大。「昨日Iリーグで関学に負けたので、僕らしか全国に連れて行けない」(MF大屋主将)。Iリーグのメンバーの分もという、チーム一丸の気持ちが関大に勝利を呼び込んだ。

 試合開始から、両サイドを中心に関学ゴールを攻め立てた。特に目を引いたのがDF宇佐美だ。積極的に攻め上がり、多くのクロスを上げた。相手陣内深くまで切り込んでのクロスや、浅い位置からのアーリークロス。関学ディフェンス陣を翻弄した。また、中盤の底から大屋主将が前線に顔を出し、分厚い攻撃を展開した。「相手はサイドが薄いので、そこを狙った」と大屋主将が話すように、関大の狙いが功を奏した。

 「辛抱すれば必ずチャンスをものにできる」と川端監督は、ハームタイムに選手に伝えると、とうとう歓喜の瞬間が訪れる。後半12分、左サイドのDF田中が逆サイドのMF藤澤へロングパスを送る。そこから、宇佐美にボールを落とし、ディフェンスの裏へスルーパス。今節、なかなかボールに絡めなかったFW 金園がキーパーをかわし、無人のゴールに流し込んだ。「今日は波に乗れてなかったけど、点が取れてよかった」。ワンチャンスをしっかりものにした。試合終了間際には関学にCKを与え、危ない場面を作られたが、最後はDF、GKが体を張って死守した。

 この勝利によって、インカレ出場が現実味を帯びてきた。「自分らが勝ち続けなければ、インカレすら見えなくなる」(大屋主将)。決して、気を抜くことなく一戦一戦を大事にし、残り3戦全勝を目指す。
 

 

●関西学生サッカー後期リーグ第8節(11月9日・神戸総合運動公園ユニバ-記念競技場)
 

関大 1 0-0 0 関学
1-0
金園(前半12分)
 
得点者