残り12秒で1点差の逆転勝利。「最後は迷わず打てた」とシュートを決めた主将の熊谷。熊谷は前回の甲南大戦に続く逆転シュートで正念場での強さを見せつけた。

 後半を同点で迎えた同志社は相手の速攻や3点シュートで第3Q終盤には15点差のリードを許した。シュートを打つも、なかなか入らない時間が続き簡単なミスも目立った。

 しかし第4Q中盤、同志社の取ったタイムアウト後に猛追は始まった。アシスト本数2位のPG井関がパスカットからの速攻を含む連続シュートを自ら決め、勢い を作った。「繋いどかなあかんと思った」とPG井関。その後は3点シュートなどが次々に決まり、一気に同点まで追い上げた。最後は主将熊谷の放ったシュー トが弧を描くようにゴールに吸い込まれ、逆転。体育館じゅうが歓声で包まれる中、試合終了。同志社は最終戦で劇的勝利を収めた。

 「少し気持ちが甘かった。でも結果的には基本的な積み重ねが出た結果」と沼田監督。11日でインカレ確定した同志社は1週間チーム全体で士気を高めるのに苦労した。しかし最後、勝てたのは昨年からフィジカル強化など基礎力をつけてきたからだ。

 昨年2部の優勝校が今年は1部の準優勝まではい上がった。その快進撃を支えたのは昨年度から就任の沼田宏文監督。1972年のミュンヘンオリンピック、 1976年のモントリオールオリンピックに日本初の2メートル以上の選手で日本代表として出場した経歴を持つ沼田監督は自らの経験を生かし、まだ心も体も 戦う状態じゃなかった選手たちを基礎から鍛え直した。今こそ1年生に185センチ以上の選手が並ぶものの、上級生は大きいとはいえないサイズ。しかし、 ディフェンスを鍛えることで大きさでは負けるところをカバーし、大きいチームにも打ち勝っていった。

 2年がかりで掴んだインカレ。正念場の力強さで観客を魅了する同志社が全国で新たな快進撃を見せる。