同志社、秩父宮に散る
関西リーグでは優勝を逃したものの、1回戦で流経大を下し、3年ぶりに選手権の舞台で白星を挙げた同志社。徐々に復調の兆しを見せる関西の雄を観ようと、ラグビー東の聖地・秩父宮には多くの同志社ファンが集まった。 しかし、試合は序盤から東海大ペース。開始5分で東海大NO.8ジョシュアに先制トライを奪われると、15分にもFL荒木の追加トライを許す。サイズで劣る同志社は、日本代表FLのマイケル・リーチら外国人留学生2人を擁する東海大の突進を止めることができない。デイフェンスは一発のタックルで倒すことができず、FW陣はスクラムでもモールでも押し負けて主導権を奪われる。コンタクト、セットプレーで劣勢に立ってしまった同志社は敵陣でプレーすることすら困難だった。 攻撃力が売りの同志社もLO村上のトライで反撃ののろしを上げるが、後が続かない。「継続的にいけなかった」と中尾監督は苦い表情。SO森田洋介が骨折しながらもトライを挙げる気迫を見せるものの、一発返せば二発返される、そんな波に乗れない状況が続いた。同志社は最後までサイズの差を埋めることができず、終わってみれば31-78。東海大に選手権初の準決勝進出を許してしまった。 「決してチームの状態は悪くなかったのだが。ベスト8とベスト4の間には大きな壁がある。関東は鍛え方も、環境も違う」と中尾監督。80年代、未だに破られることのない選手権3連覇を達成している同志社だが、ここ数年は関東の壁に跳ね返され続けている。サイズの差、FWの差。選手の大型化が進み、数年前までは圧勝できていた他大学がその流れに適応して力をつけていく中、同志社は取り残されている。 これで最後の準決勝進出経験者世代である副将・宮本ら4回生は引退。関東の大学を倒して日本一に輝くという宮本の想いは実現しなかった。期待の1年生WTB正海は「関東のチームは一人一人が全然違う」と完敗を認めながらも、「来年はもう後悔したくない。これからは自分達が引っ張っていく。それが4回生に対する恩返しだと思うから」と、来季のリベンジを誓って秩父宮をあとにした。準決勝を目の前にしつつも敗れた悔しさと、関東との差を身をもって経験した次世代の成長に、同志社の浮沈がかかっている。 ●ラグビー全国大学選手権2回戦(12月28日・秩父宮ラグビー場) 同志社 31 10-29 78 東海大 21-49
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