ファルコンズ。その名の通り隼軍団が圧倒的なスピードと攻撃力で立命のゴールマウスという獲物に襲いかかった。これに対し立命は必死の守備を見せるが及ばず、前半だけで大量9失点を喫した。また攻撃面では相手のミスから絶好の得点チャンスを作り出すも、攻め急ぎ、得点に結びつけることが出来なかった。奪ったゴールは第2 Q17分のAT梅原(2年)のゴールのみ。残り2Qを残して会場には既に立命の敗戦ムードが漂っていた。  だが、立命は最後まで諦めなかった。「会場にいる全ての人が、大どんでん返しなんて起こらないと思っているかもしれない。でも、俺は信じている」。    ハーフタイム。昨年、2部から這い上がり、全国出場を果たすまでになったチームを常に引っ張ってきた闘将・MF星野(4年)の一言がチームを奮い立たせた。  後半も、主導権をファルコンズに握られ苦しいゲームを強いられた。だが、決して集中力を切らすことのなかった立命は第4Q7分にMF由良(4年)の意地の1発が決まり、最後までファルコンズに食い下がった。    試合終了のホイッスルと共に選手らの目には大粒の涙が光った。「悔し涙というより、もうこのチームでラクロスが出来ないのが寂しい。涙はそういう涙です」。誰よりもチームへの思いが熱い星野らしい言葉だった。また由良は「自分にとってラクロスは青春。犠牲に出来るものは全て犠牲にしてきた」と4年間を振り返った。  4年間。彼らの青春は大敗という形で幕を閉じた。だが、涙が乾いたあとに残ったのは晴れやかな笑顔だった。 ●第19回ラクロス全日本選手権大会男子1回戦(12月13日・舞洲運動広場球技場) 立     命 0 1 0 1 = 2 ファルコンズ 7 2 3 6 =18