広がる薬物
学生による薬物使用はここ数年で増加傾向にあるという。「特にMDMAなどの錠剤や、大麻などの吸引式の薬物は、覚せい剤など体内摂取時に注射器を使用 しなければならないものに比べ「怖さ」というものが薄れ、「ファッション的」に使用する学生が多くなっている」と大阪府警の山口智己警部補。また、現在で はインターネットで注文するだけで自宅に届くようになり、密売人から直接売買するという入手方法が主流だった以前に比べると格段に入手しやすくなった。つ まり私たち学生は今、その気になれば簡単に薬物へアクセスできる環境に置かれているということだ。
児童、生徒への「生活指導」という観点から学校主導で薬物乱用防止教室など積極的な啓発活動が行われていた小・中・高等学校とは異なり、大学では「学生の 自覚と自己規律に基づき、良識ある行動を求める」という学生の自立を促す教育方針をとるところが多く、UNN加盟大の多くも「大学案内や入学に際に渡され る書類で注意喚起を促す程度」と、薬物乱用を防止する取り組みは消極的だ。そのため、「(薬物を使うか使わないかは)実質的に学生の自助努力にゆだねるこ とになる」と山口警部補は指摘する。
一方、昨年2月、今年5月、6月と大麻取締法違反容疑により学生が逮捕されるという事件が立て続 けに起きた関大では、事件後「薬物事件再発防止対策本部」を設置。学生・教職員による啓発ビラを配布や、啓発ビデオの上映、講演会の実施、夜間のキャンパ スのパトロール強化など、学生への注意喚起や指導に取り組んでいる。こうした大学側の積極的な対応を、「今後も続けて欲しい」と山口警部補は評価する。最 後に「学生もストレスを抱えていると思うが、スポーツなどで発散することで健康的な学生生活を過ごして欲しい」と話した。(薬物に関する相談・質問は専用 ホットライン:06-6943-7957まで)
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