「”誰かのため”ってなった瞬間に手を抜けなくなる」
今大会の運営統括代表を務めた森さんは、「『やってよかった』という自己満足だけが残る大会にはしたくなかった」と語る。 去年の11月、古高前代表から代表を引き継いだ。何をするにも「手探り」だった一昨年の第1回目KBCC’06。先代が灯した火を「継続」させた昨年、第2回目KBCC’07。大会運営の基盤がこの2年間で少しずつ蓄積された。そこで第3回目となる今年KBCC’08は、大会の「規模拡大」を目標に据えた。 「大会の存在をより多くの学生に知ってもらう」ために関西圏の9つの大学をまわり、説明会を実施。 さらに、企画書を手に神戸に本社を構えるネスレコンフェクショナリー株式会社を訪問。代表取締役社長に直願し、今大会の特別協賛企業として強力なバックアップを受けることに決まった。こうした地道な努力が実を結び、参加学生数は去年の36人から51人へと大幅に増加。大会の規模は確実に大きくなった。 今大会に関わる参加学生、協賛企業からの期待の大きさをひしひしと感じたが、「期待されるともっと頑張ろうと思う」と、周りの期待を自らの原動力に変えた。「自分のためやったら手抜きしてしまう。でも、”誰かのため”ってなった瞬間に手を抜けなくなる」。 こんな姿勢がKBCCを引っ張り、参加者、協賛企業にも伝播した。「全ての人がこの大会を通じて心が動いたと思う」最終コンペの審査員を務めた北川雄士氏(シナジーマーケティング株式会社)がこう評したように、「全ての人に価値あるものを提供したい」という森さんの思いはしっかりと伝わったようだ。 「KBCCとして何か与えたいと頑張れば頑張るほど、実は皆さんから頂いててばかりでした。本当にありがとうございました」今大会を笑顔でこう閉じた森さんの横顔には、少しの安堵感と満足感とがにじんでいるように見えた。
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