益川名誉教授と小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授は京大理学部の助手在職中に「小林・益川理論」を発表。理論を益川氏が担当し、小林氏が実験を担当した。益川氏は小林氏のことを「非常に秀才。唯一の欠点といえば万能であることくらい」と話す。2人は名大理学部の故坂田昌一教授の下で学んだ。坂田教授は京大理学部出身で「湯川研究室」を経て名大教授に就任。今回受賞した2人も日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹氏の流れをくむことになる。  受賞の理由となった「小林・益川理論」。益川氏は最初、CP対象性の破れを説明するために4元モデルを考えていたが、実証できなかった。入浴中に考慮していた時、中々4元モデルから離れられなかったが、立ち上がったときに4元モデルを諦めたことがきっかけで「小林・益川理論」に至ったという。この時に「心が開放され、新たに6元モデルにすればいい」と発想したという。  益川氏は京大について「伝統と重みを持ち、学風がある大学。良い環境で研究ができた」と話す。  京大の研究者に対して「自分の面白いと思うことをやったらいい。色んなことを体験すること、友達と語り合うことで自分の情熱を傾けることのできる分野に遭遇できる」とエールを送った。