NICE海賊団、最強へ
景気停滞、経営悪化、失業問題。時代の波が荒れ狂う「09航路」を進む「NICE海賊団」。その一員となった参加者は赤、青、黄、緑の4チームに分かれ、大縄跳び、障害物リレーなどチーム戦を繰り広げた。 チーム戦での総合得点の結果、優勝を果たしたのは緑チーム。同チームの田中健一さん(同志社・4年)は、海賊団キャプテンで代表の菅田晃輔さん(阪大・4年)から賞状をもらうと「チームメイトから、笑顔でいることと楽しむことの大切さを知った」と笑顔。田中さんは京都学生能楽連盟の委員長を務めていた。「今回(の企画)を含めて、経験を社会に生かしていきたい」と話した。 競技だけの運動会ではない。競技が始まる前、参加者はチームごとで自己紹介を兼ねて人生の目標をアピール。全競技の終了後、再度チーム内で自己アピールを行うことで自分だけでなく、他者の価値観も受け入れる様に工夫が行われた。 日本を背負っていく「最強の内定者を養成する」ことを目標に掲げるNICEによる一風変わった企画は今年7月から始まった。普通のセミナーでは面白くない。楽しめるものがないかと考えた際、出てきたのが運動会だった。「初めは普通の運動会を予定していた」と製作マネージャーの小能拓己さん(神戸大・4年)。その後、スタッフ間で話し合う内に、自己アピールの追加など企画は変化していったという。「海賊団」という親しみやすさを狙った設定の他、価値観の交流を目指して参加者自身の名前だけでなく夢、理想、目標などが書かれたメッセージTシャツも取り入れた。 全てが順調だったわけではない。開催が目前になると、スタッフは徹夜で作業を行ったという。「スケジュールの都合で、ぎりぎりまで台本、プレゼンさえできていなかった」と当時の慌ただしさを振り返る。 しかし、「まだ完全に終わっていない」。参加者に配布したアンケートの回答に込められた思いを見るまで終わらない。「(参加者の)思いを集めた冊子を作りたい」と小能さんは話す。 「各自が目標を持って進んでほしい」と閉会のあいさつをした代表の菅田さん。「他人の価値観を見てみる。社会に適合できる様、視野を広げてくれれば」と参加者に願った。 第3回目は戦略的思考の養成を目的とするオリエンテーションを予定している。
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