呆然と、コートを見つめていた。最後まで、コートから離れられなかった。

 昨年度ファイナリストの同志社。スタートは上々だった。初戦の四日市大サッカー部戦。試合開始早々に先制すると、一気に5得点を奪う。A飯田主将(3年)を中心とする華麗なパスワーク。繋いで、繋いで、繋ぎまくる。「パスを回す。それがうちの持ち味」と藤浪監督。美しいフットサルで初戦を7-2の白星で飾った。< /DIV>

 続く山梨大蹴球部に2-2で引き分け、迎えたGL最終戦、相手は福山大サッカー部。得失点差の関係で、決勝トーナメント進出のためには勝つしかなかった。

 ボールが落ち着かず、先制されるも2-2で前半を折り返す。両者得点を挙げ、後半10分。A山口(1年)がこぼれ玉を押し込み、同志社が貴重な勝ち越しゴールを奪う。

 だが、「うちの脆さが出た」と監督。試合終了まで残り7秒で、相手のパワープレーに屈し、痛恨の同点弾を喫してしまう。「点を決められて、初めて時間がないことに気付いた」と山口。「気の緩みはなかったと思うんですけどね」と指揮官は選手をかばったが、主将は「気が緩んだかもしれない」と言い訳はしなかった。

 メンバーがたった3人で、紅白戦すらできない日々もあった。練習場のレンタル代が、1人1か月に1万円を越える時期もあった。辛い経験があったからこそ「下級生が入って来てくれて、とても嬉しかった」と飯田。昨年度はこの大会で準優勝も果たした。体育会への登録も視野に入った。だが、突きつけられたのは厳しい現実。

 京都発のノスタルジアは、試合終了のブザーと共に終幕した。「うまくいかないもんですね」。そう笑って指揮官は会場を後にした。

○この大会を最後に引退する飯田主将
「力を出し切った感じはしない。決勝で神戸大フォルサとやりたかった」

●全日本大学フットサル大会2008グループリーグ(8月22日から23日・舞洲アリーナ)
 

同志社 7 4-0 2

四日市大

3-2
  得点者

 

 

同志社 2   2

山梨大

 

 

 

得点者  
同志社 4 2-2 4

福山大

2-2
  得点者